その日は書道の練習をしていた。
書道の練習中にはYouTubeでクラシック音楽を流す。日本語の歌だと歌詞につい聞き入ってしまい気が散ってしまうから、聞くのはクラシックか英語の歌だ。
ビバルディの四季が流れてきて「いいなぁ~」ってな感じで気分ものってきた。
ちょっと手を休めてメールをチェックしてみる。この間面接に行ってきたところからメールが来ている。イヤな予感(落ちまくっているので、まずイヤな予感がしてしまう癖がついている)。見てみたらやっぱり不採用通知だった。おかげで乱れた気持ちのまま書道に戻る。
これまでに受けたところは数知れず。もう数えても意味がないので数えるのをやめた。ほとんどは面接にもたどり着けない。カナダでは、書類の段階で落ちた場合はなんの通知も来ないことが多い。募集広告にも、たくさん応募があるから面接することにしたひとにだけ連絡しますというようなことが書かれていることもあるが、何にも書いてなくても通知が来ないこともよくある(暗黙の了解らしい・・)。
面接までたどり着いたことも何回かあるのだが、不採用・・だからまだ探してるんだけどね。
さすがに面接までした場合は、不採用の場合でも連絡が来ることがおおい。たまーに、なしのつぶてってこともあり、「あ、だめだったのね」と悟る。
いま、とにかく仕事探しは大変。若い人だって苦戦しているというのだから、年寄りなんて言わずもがなだ。パートの仕事だとひとつのポジションに600もの応募があったなんてよくきく。面接までたどり着くだけでもけっこうすごい(とでもおもわなきゃやってらんねぇ)
このたび、55歳以上対象の就職サポートプログラムを受けることにした。インスタに広告が上がってきて(アルゴリズム恐るべし。私が仕事探している年寄りだって知ってるんだ!)、問い合わせたら担当者から電話がかかってきた。「今日からプログラム始まったんだけど、入りたいなら明日から来てもいいよ!」だそうで、それじゃ行ってみるかなと。
政府が資金を出しているプログラムなので、受講料は無料。さらにバスやスカイトレインで来ている人には回数券みたいなのをくれるというのだ。
6週間学校に通って履歴書やカバーレターの効果的な書き方、どうやって仕事を探すか、面接でのヒントなどなどの授業を受ける。週3日登校、週2日オンライン。それが終わったら、1対1で就職サポートをしてくれるという。このプログラムを受けたことで、かなり高い確率で就職につながっているんだそうだ。
とはいえ行ってみる前は「意味ないんじゃない?」とかなり懐疑的だったし、いまもその気持ちはまだある。なにせ受けても受けても落ち続けているので、ネガティブになっているし自己肯定感はゼロに近い。
「とにかく受け続けるしかないよ」などというアドバイスをもらうが、「まだ努力が足りないという意味か?」と捉えるひがみっぷりだ。
プログラムを受け始めて、「ほー、そうなんだ」「それは知らなかった」などという気付きが結構あった。「とにかく応募し続ける」というめくらめっぽうな方法じゃなくて、効果的、効率的に就活する必要性なんかにも気づかされた。
来ている人たちはみんな55歳以上で私と同年代だ。意外だったのは、英語を母国語とする(つまり私みたいな移民ではない)人がほとんどだったこと。
前職をなんらかの理由で辞めた、キャリアチェンジしたい、などなど理由はさまざまみたいだ。カナダで生まれ育って仕事もしっかりしていた人でも、年齢が上がってくれば再就職は難しくなっていくんだなということに気づかされた。
仕事を探しているときは孤独で、「誰も私を必要としていないんだ」という気分に陥りがちだが、なんか同じような状況にいるひとたちがほかにもいるんだと思えるだけでも少し安心する。
いまだ「それでも私は仕事が見つからない気がする・・」というマインドは消え去ってはいない。実際、このプログラムに行っても仕事が見つからない人は一定数いるのだというし。でもまぁせっかくの機会なのでちょっと頑張ってみようかと思う。












