暁の峰 -6ページ目

ある、霜月の日。

10月の中旬辺りから、超多忙な日々を送っていましたコッショリ

単純な仕事量だけならともかく、右も左もあやふやなままの穴埋め仕事。

自分が本来の担当している方に会えないこと。

そして、Yさんと上手く進展しないこと。


様々なことが重なり、急に降って湧いた忙しさとストレスに、私が私を保てなくなっていきました。

彼に愚痴り、Yさんとは時間が合わず、Hさんの猛攻を受け…

限界でした。

否、限界と気付くこともできないほど…疲れていました。



そして。

ある日、疲れ果てた私は、仕事後に一人でドライブをしました。

翌日も仕事だったので、近場をあてもなくウロウロしているだけでしたが・・・・・・・・

ふと、母校(高校)の前を通りがかった時、自ずと涙が溢れてきたのです。

私にとって母校は心の拠り所で、今までにも疲れた時は眺めに行くことがありました。

でも勝手に泣けてきたのは初めてで…

もう一つの心の拠り所――陸上競技場に向かいました。

既に夜の11時を回っていました。



本当は、Yさんに連絡をしようと思いました。

でも時間が遅くて、明らかに寝ている時間で…。

何故かその時はまだ付き合っていた彼にも連絡をとる気にはなれず。

私はHさんに電話をかけていました。




どれだけひどい声をしていたのでしょうか。

Hさんは、彼女でもなんでもない私のために、車を飛ばして会いにきてくれました。

泣きたい事にすら気付いていなかった私に、

「辛かったら泣いていいんだよ」

と、ただただ傍にいて話を聞いてくれていました。

Hさんの穏やかな口調と、擦ってくれていた温もりが優しくて。

私はやっと、自分が疲れていることに気付けないほど疲れていたことに気付きました。

涙を流すことが出来ました。


肩を抱かれて泣き、ふと落ち着いた頃、不意にHさんにキスをされました。

私は不思議とそれを嫌だとは思いませんでした。

そして、彼に対しての罪悪感も…何故か感じませんでした。