犬が家にいた
…と、如月に入ったばかりの頃、彼からメールが来ていました。
彼の家の構造なぞ知りませんが、どうも朝起きたら母屋にいたそうです。
その子が家にいる経緯がさらっと書いてありました。
とても子どもが話せるような内容ではありませんでした。
…じゃあ、誰に聞いたの?
考えられるのは一人しかいません。
今まで特に彼の家庭の話には触れてきませんでした。
それは私自身聞きたくなかったのもあって…
奥様が彼に対して
【無関心】
【ほとんど会話もない】
という状態なのだと付き合い始めに聞いていました。
…話すんじゃん。
そう思って押し殺してきた奥様への強い嫉妬心が爆発して、大きな喧嘩に発展しました。
こんなにも彼を好きだったのかと思いながら。
どうしても会って話をしたくて、でも喧嘩腰になってしまって…
「楽しかったことまで嫌になりそうだから、別れるつもりならもう会わない」
とまで言われました。
結局、たった30分会うために、1時間車を飛ばしてきてくれました。
彼は今までに見たことがない、悲しそうな顔をしていました。
「別れるなんて言わないで」
と、悲痛の表情を浮かべながら言われました。
愛情表現は人それぞれ。
でもこんなにも強く愛されたことはあっただろうか…。
こんなに【私】を欲してくれた人はいただろうか…。
そうは思ったものの、この事件を境に私の気持ちは大きく変わりました。
どれだけ彼を愛していても、報われることはない。
結局最後は私じゃないんだ、と。