暁の峰 -24ページ目

遅れたValentine

如月も終わりに近い頃…
彼が私の住んでいる辺りに出張があり、夜少しだけ会おうということになりました。
2時間弱しか会えないのに、怪しまれないようにダブルで部屋をとってくれていました。
凄く嬉しかった…はずなのに。

私の定時は夜遅いので、彼から待っている間に夕飯を食べてくるとメールが入っていました。
待たせて申し訳ないな、と仕事が終わってすぐ電話をしました。
すると、丁度頼んだばかりとのこと。
合流しても良いし、ホテルで待っていてくれても良いと…。
夕飯は家で食べる予定だったし、いくらダブルでもホテルで待つのはいかがかと。
そう思った私は彼が食べ終わるのを移動やら何やらで待つことにしました。

駐車場につき、待つこと数分。
「急いで食べ終わってこれから向かうよ
と彼からメールが。

食べ終わったのにメール?そんなに電話嫌い?
私が凄く急がせたみたい…
と、たった一通のメールでガンガン落ち込みました。
素直に急いでくれたことを喜べばいいのに。


どうしても気持ちが落ち着かず、彼と会ってもグズグズしていました。
パニック状態のようになり、初めて彼の前で泣きじゃくりました。
自分でもおかしいのは分かっていたけど、どうにも治まりませんでした。
さすがの彼も、「もう帰って良いよ」と。
でもきっとこのまま帰ったら連絡をとらない気がする、と思った私は、足を動かすことが出来ませんでした。

そんな私を見て、彼が静かに話しました。
何時頃終わるか分からなかったこと。
どの辺にいるか分からなかったこと。(私は2ヶ所を兼務しています)
電話ではなくメールだったのは、まだ食事中だったからだと。
私が急がせたんじゃなくて、私に会いたくて急いだんだと。

…どうして私はこうも素直じゃないんだろう。
彼のことが好きだから早く会いたくて、少しでも会いたくて…。
彼も同じ気持ちだったのだと分かっても。
嬉しい、はずなのに。

それでもやっぱり奥様のことが頭を過ぎるのです。