35歳、東京で一人暮らしの弟③は
いつからか料理男子で
うちの息子たちも
弟③を小さい頃から「○○二ィ」と呼び
事あるごとに食べたいものをリクエストしている。
今回はみんなそれぞれバタバタで
彼らはとうとう弟③の手の込んだ料理を
食べられなかった。
(それでも海鮮焼きそばや
チーズフォンデュやなんやかんや作ってくれたな)
仕方ねぇ
長男は一昨日誕生日だしな。
リクエストはエビマヨ
ワタシ作のこれでも食っとけ
認知症の父との日々を書いています
長野のキャンプ場から病院直行で
すべてが終わって帰宅したのは23:00
親戚は先に送って
ワタシと弟③と父、だったけど
弟③がいて
ほんとに良かったな。
父はめっちゃ痛いはずなんだけど
あまりそういうの表に出さないだけなのか
どうなのか
(そう痛くはない、とか言ってる)
待合では三人で和やかに話したり
父はウトウトして
姉弟ふたりで延々とヒソヒソ話して
救急外来の待合はずっと
付き添い含めて30人くらい?
いろんな患者さんが溢れていた。
担当の先生と話しているときから
「これはなかなか面倒だぞ」
と思ったとおり
翌朝は弟③がワタシの部屋に
助けを求めてやってきて、目が覚めた。
7:00過ぎ。
「お姉ちゃんダメだわ
僕では何にも聞いてくれない」
下に降りていくと
玄関に座って、うなだれている父がいた。
「おーー出かける気マンマンやね笑
昨日も言ったでしょ。
今日はおとなしくしとこうよ。
せっかく軽いひびで済んだのに
グキッといったらどうすんの?手術だよ」
これがね
寝起きなのに自分で驚くほど明るく優しく
言えたんだけどね
別の誰か(弟③)がひとり、間に入るだけで
こうも違うものなの?
味方がいるからってことなの?
なんなの?
前日の転倒の瞬間から
後悔や反省がグルっと一周訪れたから?
わからない
わからない
そのどれもかもしれない
父は、夜間救急で処置してもらった
簡易ギプスのシャーレかな?
それを勝手に取り外していて
(これは予想できた)
日曜なので、競馬場に行くと
(これも予想してた)
出かけるのを止める弟③に抵抗していた。
振り切って出ていく勢いはなかったが
誰も送ってくれる人がいないから
電車でひとりで行くのは仕方ないじゃないか、
という主張をしていた。
いつもの明るさはない。
今週は毎週来て連れて行ってくれる弟①は
前日みんなで出かけるので
連休だけど仕事で出社したいし
一回休みね、と父に言っていたが
そんなことはまったく忘れていて
朝から弟①にも「何時に来る?」と
電話したらしい。
ワタシに言ったら
怒られるにきまってると思ったろうな。
骨折をしたのは事実
でも手首の固定は外しても大丈夫
競馬場に行きたいのに
今日は誰も連れて行ってくれない
ひとりで行けるもん(確かに)
何が悪いのか?
という気持ち。
弟③はこの日
地元の友人と会う約束をしていて
昼前には出かける予定だった。
いろいろ押し問答をした結果
「あー!わかった!
家にいればいいんだな!」
となったので一旦落着。
だけど、その後も
やっぱりひとりで行けるわ
やっぱりやめとくわ
と、時間が経つと言うことが変わり
そのたびにワタシと弟③のところに来る。
これはほんとうに
ワタシの心の余裕の問題だ。
そう確信する。
「わかったよ
一緒に行こうか」
と、ワタシのこの口が言った。
弟③が出かける時間が迫っていたから
安心していかせてあげたかったのもある。
弟①も仕事をあきらめて行くわ、
とも言い出したし。
ワタシは………
GW中に映画を一本観る予定の日だったんだけど
まぁ、いいわね。
そうして出かけた父にはおなじみ競馬場。
足取りも心なしかしっかりしてる
弟①とも朝から連絡を取っていたが
最近父と競馬場行く日は
指定席をネットで取っているらしい。
それが迷子にならなくて見守りに便利なのだとか。
この競馬場でレースが開催の日は
指定席は抽選で
全然取れないし
チケット料金も何千円もするらしい。
でも開催日以外は一人500円?
なるほど
場内は送っていったときに
入ったことはあったけど
すっごいキレイで広くて
飲食店もたくさんあって
ちょっとした遊園地もあるから
レジャー感覚の子ども連れも多いんだよねー
子どもの日だったし大盛況
↑父
さてさて指定席とは……
おぉ、快適だ
(弟①がネットで取ってくれた席)
そりゃ、ここでレース開催の時は
観戦するのに人気で争奪戦だろう。
だって目の前最終コーナーよ。
開催がない日は大きなビジョンで
東京や京都のレース映像を見ながら
席のすぐ後ろには券売機が。
父は
「光が反射してビジョンは見にくくていかん」と
早々に指定席から移動して
そこらじゅうにある小さいモニター下に。
全然ありがたみを感じてないね
ワタシは父の行動を目視しつつ
あまりのパノラマの景色に
つい山のアプリを開き
目の前に広がり確認できる山の名前を
ワクワクしながら表示する。
楽しいのよこのアプリ。
登ったことのある山もいくつか見えて
急に山が恋しくなる。
結局父は3レースくらいやって
「今日はもうダメ、帰る~」とあっさり。
そんな
ワタシが勝手に楽しんだ
休日になったのね。
あぁ、自分でもわかんないな。
この心のお洗濯の余韻(なの?)が
いつまで続いてくれるのか...