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NPO法人子どもグリーフサポートステーションのスタッフブログ

大切な人を亡くした子どものサポート活動を行う、子どもグリーフサポートステーションのスタッフブログです。

ホームページはこちら http://www.cgss.jp/

お知らせ

2015年12月、福島県福島市でファシリテーター養成講座を予定しておりましたが、都合により延期とさせていただくことになりました。大変申し訳ございません。

次回日程につきましては、決まり次第、ホームページ等でお知らせいたします。

ご関心をお寄せくださった方々には深くお詫び申し上げます。



NPO法人子どもグリーフサポートステーション






ファシリテーター養成講座in福島

日時2015年12月12日(土)・13日(日) 10:00~16:30(両日とも)延期となりました
※2日間の受講が必須です

会場:福島市市民活動サポートセンター(福島市大町4-15 チェンバおおまち3階)

参加費:一般4,000円 学生3,000円(テキスト代込み)
※学生の方には、学生ファシリテーター支援制度があります。

定員:20名

対象:子どもグリーフサポートステーションが福島市で月に1回開催している「グリーフプログラム」に、年2回以上ご参加いただける18歳以上の男女。経験、資格、学部学科等は問いません。

講師:佐藤利憲(福島県立医科大学 看護学部 家族看護学部門 講師)






チラシ(PDFはこちら(1.2MB))





主催:NPO法人子どもグリーフサポートステーション
子どもグリーフサポートステーションでは、大切な人を亡くした子どものための「グリーフサポート」を行っています。

大切な人を亡くした子どもたちのグリーフサポートプログラムを定期的に行っており、同時に保護者の会も行っています。


保護者の会では様々な話題でお話がされていますが、よく保護者の方から聞くお悩みがあります。

そのひとつが、「亡くなった方の遺品が整理できない」ということ。


亡くなった方が着ていた服や使っていたものなど、いつかは整理しなくては、と思いつつも、遺品を触ると涙が出てきてしまう、とか、捨ててしまうのは辛い、とか、様々な感情が揺れ動いてしまい、結局整理できないでいる…ということがあるようです。

遺品は、もはやただのモノではなく、さまざまな思い出が詰まった大切なものなのだと思います。


それらを捨てるのではなく、形を変えてそばにいてもらうことはできないかな?と考え、ちょっと調べてみましたので、アイデアをいくつか紹介したいと思います。





Yシャツの袖口を使い、小物入れを作ることができます。
作り方は簡単。Yシャツの袖口を切って、側面を縫うだけ。
いつも持ち歩くことができるように、小銭入れや小物入れとして使ったり、
アクセサリーなど大切なものを保管するためのケースとしても。
出典・作り方:http://cfabbridesigns.com/craft-projects/trick-up-my-sleave-coin-purse/#.VjHYTlauPVR





スウェットやTシャツ、Yシャツでクッションカバーを作ることができます。
好きな大きさの四角形に切って、縫うだけです。
出典:http://iemo.jp/31419、
http://matome.naver.jp/odai/2142140893230654801
(こちらのサイトには、クッションのほか、ぬいぐるみなどのアイデアも掲載されています。)




Tシャツを細く裂いてひも状にし、三つ編みをすれば、ブレスレットになります。
いつも身につけておくことができます。
出典:http://matome.naver.jp/odai/2134026405288826601




シュシュ
出典・作り方:https://handicraft.nanapi.jp/25770




丸く切り抜いた布を重ねてボンドで貼っていけば、お花のコサージュができます。
針や糸は必要ありません。
取り外したボタンをつけてもいいですね。
出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/385706/




キャンバスに貼付ければ、お部屋に飾ることもできます。
出典:http://iemo.jp/15736




ジーンズの裾を切り取り、ブレスレットに。
出典:http://matome.naver.jp/odai/2140307977729137001




ガラス素材のクリスマスオーナメントの中に、切った布を詰めています。
クリスマス用だけでなく、好きなビンの中に、洋服の切れ端やボタンなどを入れて飾っておくというのもよさそうです。
出典:http://iemo.jp/11462




Tシャツを細く切ってひも状にし、編んでいくことでラグを作ることもできます。
フラフープを使って編んでいるので、お子様と一緒に作ってみるのもいいかもしれませんね。
出典:http://matome.naver.jp/odai/2140456910808633701/2140457205311432003




いかがでしたでしょうか。
ここでは、洋服に手を加えて、そばに置いておくことができるようにするためのアイデアを紹介しました。
遺品を捨てたり、しまっておくだけではなく、形を変えて、いつもそばにいられるようにすると、少し気持ちが違ってくるかもしれません。
もしよかったら、試してみてください。

もし他にアイデアがありましたら、教えていただけると嬉しいです。
10月15日、米国ハワイ州で子どものグリーフサポートを行うKids Hurt Too Hawaii(キッズハートツーハワイ)の伊藤ヒロさんが講師となり、宮城県石巻市雄勝町で講演会が行われました。

子どもグリーフサポートステーションからも、スタッフがお手伝いと勉強のために参加させていただきました。

Kids Hurt Too Hawaiiは、死別や離婚、虐待などで親や身近な人を喪失した子どもへのグリーフサポートを行っており、日本のグリーフサポート実践者の多くも、Kids Hurt Too Hawaiiからグリーフサポートを学んでいます。

今回の講演会にはKids Hurt Too Hawaii創設者であるシンシア・ホワイトさんもいらっしゃる予定だったのですが、ご家族の急用で来れなくなり、今回は伊藤ヒロさんお一人での講演となりました。



講演では、トラウマやグリーフの違い、それらを抱えた子どもにどう寄り添ったらいいのか、ということを、伊藤ヒロさんが分かりやすくお話されていました。

講演の内容の一部をメモします。一部私の解釈も入っていると思います。


まず、トラウマとグリーフはまったく別物だということ。

トラウマは、簡単に言えば、脳の傷です。
人間の対処能力を超えた、命の危険を認識するような経験がきっかけとなり、脳の機能に影響を与える、生化学的な反応なのです。
だから、トラウマを抱える人には、すぐさまケア(治療)が必要となります。

その方法としては、プレイセラピーやアートセラピー、グループセラピーが有効とされています。


次に、グリーフについてですが、グリーフはトラウマとは全く別物です。
グリーフは喪失体験に伴う、自然で健全な反応であり、異常や病気ではありません。
大切な人やものを喪失したときには、誰にでも起こりうる、自然な反応なのです。

だからといって、放っておいていいというわけではありません。
周囲の適切なサポートが、グリーフを抱えた人にとって大きな力になります。

その方法としては、人とのつながりが一番の介入方法です。そのため、仲間(ピア)との相互支援が有効です。


このようにトラウマとグリーフは異なるものであるため、トラウマとグリーフがそれぞれどのようなものであり、どのようなサポートが必要であるかを知っておくことはとても重要です。


トラウマは適切なケアがあることで、良くなっていくものですが、グリーフはいずれ消えてなくなるものではなく、ずっとあり続けるものです。
講演のなかで、「グリーフは変化。変化は成長。」という言葉がありました。
自分のグリーフとうまく付き合っていくことで、グリーフが自分の糧になるのかもしれません。

自分のグリーフと向き合う作業を「グリーフワーク」といいます。
グリーフワークは、誰か他の人が替わってあげられるものではありません。
グリーフワークは、自分でやるしかないのです。

だから、サポートの方法としては、何かをしてあげる・教えるなどといった方法ではなく、子どもたちが自分の力でグリーフに向き合っていけるような、「レジリエンス(難事に対する回復力、弾力性)」を構築するサポートが有効なのです。

Kids Hurt Too Hawaiiでは、子どもたちが、それぞれに合ったやり方でグリーフを表現できるように、安全・安全な環境を整えています。それがサポートグループです。

私たち子どもグリーフサポートステーションでも、Kids Hurt Too Hawaiiにならい、グリーフプログラムを行っています。


講演の内容は書ききれませんが、今回のお話で、子どもたちのグリーフサポートの重要性を再認識し、グリーフとトラウマについて理解を深めることができました。
そして同時に、分からない、とも思いました。
グリーフやトラウマは人それぞれであったり、正しいやり方がないからこそ、完全に「理解した」と言えることはないのかもしれません。
だからこそ、これからも学び続け、子どもたちに教えてもらいながらグリーフサポートを続けていきたいと思いました。


講師の伊藤ヒロさん、主催の雄勝まちづくり協会のみなさま、グリーフサポートせたがやのみなさま、ありがとうございました。