俺、影法師です part2 | ヒールでミドル

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とあるチームのセンターバックの暇つぶしでございます。
暇つぶしというか、仕事つぶしてます。というか暇です。

((前回の続き))


おはようございます。


慎です。


今は朝の5時21分です。そろそろ蝙蝠が寝る時間ですね。


さて、前回は湘南戦前半のきのこチェックのことまで書きました。


今日はその続きを書こうと思っていたのですが


つい先ほど一通の手紙がビッグアーチに届きましたので紹介させてください。


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クワシンへ


元気ですか?


聞くまでもなく元気そうでなによりです。


慎のゴールを確認してから家族ですぐに夜逃げしたのですが


新しい住居の郵便受けにはピンク色の新聞紙が刺さっていました。


忍びのネットワークの広さは今も昔も変わりませんね。


どこへ行っても逃げ切れるものではありません。


ほんとうに怖いです。


その刺さっていたピンクの新聞はエルゴラッソという新聞ですが


慎は読んだことありますか?


母さんは初めてその新聞を読んだのですが、あなたの写真が出ていて


びっくりしました。あれほど物心ついたときから得点をいれぬように


靴を左右逆にしたり、パンツを後ろ前にしたりしていたのに・・・とても残念です。


母さんは育て方を間違えたのかもしれません。


ちゃんと今も22センチのスパイクをはいているのですか?


それに7.0という評点も言語道断です。


あれほど5.5をこしてはならないと言ったではありませんか。


あなたの叔父様は6.5をとって大変なことになったのですよ。


覚えていますか?4年前のお正月を。


あれでどんなに親戚が苦しんだか。母さんは今でも抹茶フラペチーノが飲みたいです。


そもそも慎一郎という名前は、慎ましく1番を目指して欲しい、という意味でつけました。


こんなに派手なことをするなら、派手一郎にすればよかったと


皮肉のひとつでも言いたくなります。


そうはいっても、慎は私の可愛い息子であることには変わりありません。


一族の事情もあって今あなたの声を聞くわけにはいきませんが、


あなたのことをいつも思っています。


あなたには、槙野君のような明るさや、森脇君のような元気さや


高萩君のような華や、柏木君のような鼻はありません。


でもあなたには誰にも負けないものがあります。


それは「慎ましさ」です。


つらいときは自分の名前を書いて、自分のこと、


そして家族のことを思い出してくださいね。


またこちらから連絡します。家族はみんな元気ですよ。


ではまたね。


                                 母より



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よかった・・・本当に家族が生きててよかった!


僕のおじいちゃんは大分前に6.0をとって大変なことになりました。


それ以来、一族一同郵便局は使えません。


昔は今よりももっと厳しかったんです。


僕もこれ以上親戚にもチームにも迷惑をかけたくないので


慎ましくサッカー選手として生きようと思います。


僕がとってしまった得点に関しては


もうちょっと気分が落ち着いてから書こうと思います。


それではまた。


あなたの慎でした。