ルネッサンス時代の十六世紀頃から、精神病者を監禁しておく収容所が、各国に建てられはじめた。特にスペインでは、アラビアの影響も受けやすかったためか、十五世紀初めにはもう、セビラ、バルセロナ、トレドなどに精神病者の収容所が建てられている。
ロンドンにかの悪名高い「ベッドラム」が誕生したのは、もとセントマリオ・オブ・ベツレヘム(St. Mary of Bethlehem)という名の修道院だったものを、ヘンリー八世の命を受けて精神異常者の強制収容所にしたものである(1547年)。
収容所とは名ばかりで、高い塔の内部は地獄さながらの光景となり、凶暴な患者はてペニーで見せものに出し、比較的おとなしい患者には、ロンドンの街角でこじきをさせていた。
この二十年後にアメリカ大陸で最初の精神病者収容所がメキシコに設立された。フランスでの最初の施設は、パリ郊外に建てられた、シャランタン精神病院(Ra Maison de Charenton)(1841年)で、十年後にはビセートルに840人収容の精神病院が建てられた。
さて、日本でのその当時の精神病というとごには、六世紀半ばにシナから伝わったといわれるお灸が一番広く、幾時代にもわたって用いられている。アンマや、水治療なども用いられているが、いわゆる普通の治療といえば、ほとんど寺の坊さんによる祈祷や僧侶 の儀式だった。