「モルモン書を読むことから得られる祝福」2005年10月、L・トム・ペリー、十二使徒定員会
モルモン書は現代の人々への警告の声です。以下のように,モルモン書には今日の地上の状況が鮮明に描かれています。
「だれも,これらの〔記録〕は出て来ることはないと言ってはならない。主が言われたので,これらのものは必ず出て来るからである。これらのものは主の手によって地から出て来る。だれもそれを妨げることはできない。それは,奇跡がやんでしまったと言われる時代に出て来る。あたかも人が死者の中から語るかのようにそれは出て来る。
聖徒たちの血が秘密結社と闇の業のことで主に叫んで訴える時代に,それは出て来る。
まことに,神の力が否定され,もろもろの教会が汚れたものとなり,教会の者たちが高慢な心で高ぶる時代に,それは出て来る。まことに,教会の指導者たちと教師たちが心を高慢にして,彼らの教会に属する者たちが彼らをねたみの目で見るようになる時代に,それは出て来る。
まことに,ほかの国々の火と暴風雨と立ち込める煙のことを伝え聞く時代に,それは現れ出る。
またそのとき,様々な地における戦争と戦争のうわさと地震のことも伝え聞くであろう。
まことに,地の面にひどい汚れがあり,殺人と強盗と偽りと欺きとみだらな行いとあらゆる忌まわしい行いがある時代に,また,『これを行え。あれを行え。それをしてもかまわない。主は終わりの日に弁護してくださる』と言う者が多くいる時代に,それは出て来る。しかし,このように言う者は災いである。彼らは苦汁の中におり,罪悪の縄目を受けているからである。」(モルモン8:26-31)
エズラ・タフト・ベンソン大管長は,モルモン書が現代にとって特に価値を持つという事実を再確認して次のように言いました。
「モルモン書は現代のために書かれました。この書物の著者は神です。現代人を祝福するために,霊感された人々が編さんした,堕落した民の記録です。当時の人々はこの書物を手にしていません。わたしたちのために書かれたのです。モルモン――この古代の預言者の名にちなんでこの書物は名付けられました――によって,数世紀分の記録が短くまとめられました。神は初めから終わりを御存じであり,現代人に必要な事柄として何を載せたらよいかをこのモルモンにお教えになったのです。」(「モルモン経は神のみ言葉」『聖徒の道』1975年8月号,366参照)
わたしたちはこの書物を,おもに堕落した民の歴史として読むことがどれほど多いことでしょう。預言者たちが人をキリストへ導くために霊感を受けて編さんしたということが忘れられています。モルモン書の主要な記録者たちには,歴史を書く意図はまったくありませんでした。実際,ヤコブは兄ニーファイから「この民の歴史については,少ししか触れてはならない」と命じられたと述べています(モルモン書ヤコブ1:2)。
この書物を読む度に,次のように自問するべきです。「これを書いた人々は,なぜこの話や出来事を記録したのだろうか。今のわたしたちにどんな価値があるだろうか。」
