そして彼は、民の心を奪って民の中にひどい不和を生じさせ、神の敵に民を支配する権力を振るう機会を与えたので、神の教会の繁栄にとって大きな妨げとなった。
「神の慈しみと偉大さを深く考える」2020年4月、デール・G・レンランド、十二使徒定員会
驚くべき変化を遂げた一つの例は,息子アルマです。アルマが「神に背いて歩き回ってい〔る〕」と,(モーサヤ27:11)天使が現れ,「雷のような声」をとどろかせて,(モーサヤ27:11)教会を迫害したり「民の心を奪っ〔たりし〕て」(モーサヤ27:9。13節も参照)はならないと叱責しました。天使はさらにこう訓戒します。「あなたの先祖が……囚われの状態にあったことを思い出しなさい。また,神があなたの先祖のために,どれほど大いなることを行われたかを思い起こしなさい。」(モーサヤ27:16)考えうるあらゆる勧告の中で天使が強調したのが,これでした。
アルマは悔い改め,思い起こしました。後にアルマは,天使のこの訓戒を息子ヒラマンに伝えて,こう勧告しています。「あなたはわたしと同じように,わたしたちの先祖が囚われの身にあったことを思い起こしてもらいたい。わたしたちの先祖は奴隷の状態にあり,アブラハム……,イサク……,ヤコブの神のほかにはだれも彼らを救い出せなかった。そして神は,確かに苦難の中にいる彼らを救い出された。」(アルマ36:2)アルマは「わたしは神を信頼している」(アルマ36:27)と簡潔に言いました。束縛から解放され,「あらゆる試練と災難」(アルマ36:27-29参照)の中で支えられたことを思い起こすことによって神を知り,神の約束が必ず果たされることを知るようになることを,アルマは理解していたのです。
