1ニーファイ1:14
さて、父は多くの大いなる驚くべきことを読んだり見たりした後、主に向かい、「おお、全能の主なる神よ、あなたの御業は何と偉大で驚くべきものでしょう。あなたの御座は高く天にあって、あなたの力と慈しみと憐れみは地に住むすべての者に及んでいます。あなたは憐れみ深い御方ですから、あなたのみもとに来る者が滅びるのを許されません」などと、大声で多くのことを叫んで言った。
「どこにいる人でもすべての人に」(英文)2006年4月、ダリン・H・オークス、十二使徒定員会
今回モルモン書を読んでわたしが学んだことの一つは、神があらゆる国々に住む御自身の子供たちをどれほど愛しておられるかということです。モルモン書の最初の章で父リーハイは、主の「力と慈しみと憐れみは地に住むすべての者に及んでいる」と主をほめたたえました(1ニーファイ1:14)。モルモン書は、イエス・キリストの福音がその約束と効力において普遍であり、地上に住む万民に及ぶことを繰り返し教えています。幾つかの例をそのまま引用しましょう。
● 贖罪は「アダムの堕落以来この世に住んだ……あるいは世の終わりまでに住む全人類のために、世の初めから備えられ」ていた(モーサヤ4:7)。
●「そして、イエス・キリストにより人にもたらされた贖いのおかげで、すべての人〔が〕贖われる。」(モルモン9:13)
●「神はすべての人……まことに男、女、子供の区別なく……すべての苦痛を受けられる。神がこれを受けられるのは、復活がすべての人に及〔ぶ〕ためである。」(2ニーファイ9:21-22)
●「主がだれかに、主の救いにあずかってはならないと命じられたことがあるだろうか。そのようなことはない。むしろ主は、すべての人に救いを無料で授けてこられた。そして、すべての人に、ほかの人と同様の者となる特権が与えられており、それを禁じられる者はだれ一人いない。」(2ニーファイ26:27-28)
モルモン書にはまた、「この御方の血は、……自分たちに関する神の御心を知らずに死んだ者たち、あるいは気づかないで罪を犯した者たちの罪も贖う」と記されています(モーサヤ3:11)。同様に、「キリストの血は〔幼い子供たち〕の罪を贖う」のです(モーサヤ3:16)。贖罪を通して得られる復活と清めの力が全人類に及ぶというこの教えは、神の恵みが選ばれた少数の人々だけを救うという主張をきっぱり否定します。神の恵みはすべての人に与えられるものです。モルモン書のこれらの教えは視野を広げ、すべてを包み込む神の愛と、どこにいる人でもすべての人のために行われた、贖罪の普遍的効力に対する理解を深めてくれます。