シェフ
シェフはオーダーされたメニューを作り、
ウェイトレスはオーダーをシェフに伝え、
お客はメニューの中からオーダーする。
イタリアンの店に入ったお客は、シーフードピザをオーダーしました。
ウェイトレスは『エビ・イカ・アサリ・ツナ・オニオン・コーンにたっぷりのチーズを。』とシェフに伝えました。
数分後、出来上がってきたメニューは、エビ・イカ・アサリにたっぷりのカツオ節がのったお好み焼きでした。
ウェイトレスが運ぶソレはイタリアンの店内いっぱいにソースの香りを漂わせ、周りの客は苦笑いです。
目の前にソレを運ばれたお客は、もっと苦笑い。
それでも、お客は『ありがとう。これはこれで美味しそうじゃないか・・・頂くよ。』とソレを食べました。
だけど、このお客、明日のランチには、別の店に行き、こう言うだろう。。
『チーズがたっぷりのった、イタリアンの香りのものを。』
欲しいモノは他のモノでは満たされない。
昨日のトレーニング。。。
アタシはヒューマノイド・椿として、誠一さんに与えるべきものを与えられなかった。
カレは『ソレはソレで別のものを貰ったよ』と言ってはいたけれど、
バックコントラクションのトレーニングは、その役柄に必要なバック(軸)を構築する重要なものなのに、
彼の軸の構築に力を注げなかった。。
しかも、このシェフのように限られた材料の中で料理を提供するという根本を抜け出して、
隣の店の材料を隣の店でつくり、自分の店で提供するといったようなやり方をしてしまった。
お客がオーダーしたメニューは、その店の材料を使い、その店のキッチンで、そのシェフの腕でつくり、提供し、お客を満足させる。
当たり前のことだけれど、
それがプロであり、商売となる。
『経験が浅いので、、フレンチのが得意ですから、、、』
ソレは甘えであり、逃げているだけ。
『一流』という看板を掲げているなら、メニューにないものをオーダーされても、きっちりお客を満足させるモノを提供する。
そして、次の日また同じ席にそのお客がいたら、、、
プロの仕事をしたということ。
アタシは行列の店の店主でありたい。。
ヒューマノイド椿役 河野仁美
輪郭
宮下純です

長いトンネルからようやく一筋の光が見えた気がしました。
今日の稽古で、自分がどうして嫌われ続けている飛雄君の傍にいるのかが納得できました。
本物の桜なら悩まなかったのかな……

私は人間だから分からないのかもしれないけど。
桜は飛雄を無条件に好きな訳ではないと思っている。
でも、これって人間の感情かな……
飛雄君には誰かが必要だと思ってるけど、自分がどうすればいいのか分からない。
だから、最終的には飛雄を追うことができない。
自分の存在自体が邪魔だと理解するから。
でも、介護ロボットとしてそれに気付いた時の選択が放棄になる
やっぱり、追いかけないのは桜の異常部分なんだろうな……。
何もできない。
桜はどう感じるのかな。
何を思うのかな。
自殺すると言った飛雄を追わずに、再び彼を目の前にして口にする言葉は自分の言い訳でもないし、彼への心配の言葉でもない。
……はて。
桜よ。
キミは何を考えているのだ
人間のように複雑な思考でないのなら、キミは何を考えているのだ
……まだトンネルの先は長いようだ。

