シガー、つまり葉巻というと、一般にあまりいい印象を与えないもののように思う。
どうしても昭和期の成金や、センスの悪いやくざがプカプカ吸うもののように言われるし、実際に歯をむき出して太い葉巻を銜えているのはエネルギッシュというか、若く華奢な人間にはあまり似合うものではない。
しかし、喫み慣れると煙管やパイプと違った、洋物ならではの格別な味わいがある。
そんなシガーを試してみた。
私が敬愛してやまぬ愛煙家の馬場啓一氏は、30歳を超えて完全に葉巻とパイプに切り替えたという。
実際、時間をかけてゆっくりと吸う葉巻は、仕事の合間の息抜きには似合わぬ。
そんな葉巻のうち、今回買ったのは2種類。
・モンテクリスト No.5 (1000円/本)
・プリンシベ ペティ・コロナ (300円/本)
見よう見まねでギロチン型シガー・カッターを買い、さっそく一服してみた。
葉巻は紙巻と違って、吸い口がない。葉っぱに包まれているのだ。
なので、最初の仕事は吸い口を作るということになる。
ネットの情報では、吸い口が太いほうがゆったりと吸え、味もまろやかになるとのこと。なので私も比較的大きめに切った。
最初はゆっくり切ったため、かえって葉がばらけてしまったが、勢いよく切りなおすとすっぱりと切れた。
そしてライターで、ゆっくりとシガーを回しながら点火。
煙管を吸い慣れて覚えたコツで、ゆっくり煙をすするように最初の一服。
最高である。
唇の裏に僅かなひりつきが残るものの、味は実にまろやか。
紙巻と比べると、より煙草の味が際立っていた。
太い葉巻のため、一服するごとに手で持つか、灰皿に置くため、唾が吸い口をべたべたにすることもない。
運転を控えていたため酒ではなくコカ・コーラでの喫煙であったが、
これは酒に合うだろう、という気がする。
個人的にはブランデーやどぎついウイスキーより、
薄めのウイスキー・ソーダや日本酒に合うのではなかろうか。
個人的には、モンテクリストはややマイルド、プリンシベのほうがパンチがきき、かつ甘かったように感じた。
時間を気にせずに済むオフの時間、一人だけで楽しむには最適だ。
(もちろん気の合う仲間とシガーを持ち寄って歓談するのも楽しいだろうが、複数の煙が混ざると味がわからなくなりそうだった)
和な気分でゆったりするには煙管が最適だが、ソファやロッキングチェアにもたれて、煙を見るともなしに見ながら自分の内面を見つめるにはシガーがいい。
静かに吸うこと約40分、煙が熱くなってきたときに、最後に吹き戻して私の最初のシガー体験は終わった。