手に宿る凄み | Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG                        

友人の武人画師

こうじょう雅之氏

 

彼とコラボで個展を開催するのは

今回で3度目

 

彼は僕の事を

「いさにい」と呼ぶ

僕は彼の事を「マック」と呼ぶ

 

なんだかウマが合うのだ

 

今回で彼は12周年

「店前でライブアートやりません?」と

提案してくれて

普段大きな会場で

ライブアートを開催する彼が

こんなコンパクトな場所で良いのだろうか?と

思っていると

 

「いさにい

場所ちゃうねん

誰とやるかやろ?」と彼は言う

 

「僕はスタッフの方々も皆大好きやし

彼らも僕の作品を理解してくれている

そしてチェントのお客さんは

皆良い方々ばかりで最高やねん」

 

「せやろ」と僕は

少し照れながら

心で「マックめちゃくちゃ嬉しいぞ」と呟いた

 

昨日ライブアートが開催された

 




普段のあの人懐っこい彼とは

真逆で

「ピリピリ」と得体の知れない

雰囲気を醸し出している

 

侍が鞘に手をかけ

「抜くぞ、抜くぞ」と

威嚇している感じを受ける

 

彼は18分間で一つの作品を完成させると言う

「題材は?」と聞くと

「ギリギリまで決まらない

筆を走らせてから決める」

僕は絶句した

 

店前に多くの人々が集まってきた

 

開始5分前

彼はキャンバスの前に座り

精神統一しているようだった

 

街中のざわめきが

ピーンと消えた

 

BGMが鳴る

彼らしい和洋折衷の

オトが流れてくると

 

「スウ〜」と筆が曲線を描く

 



私は少し離れた

真隣で見ていた

 

彼が生で筆を走らせる姿を見るのは

初めてで

 

ありきたりの表現しかできない

己の語彙力の無さを恥じるが

「鳥肌がゾゾっと立った」

 

背中には鬼気迫るナニカ

そして手先には力強い

手首の返しとそれに比例する

太い線

 

18分が

経とうとしている時に

最初に氏が入れた曲線の正体が

判明した

武将のまげだった

 

BGM終了ピッタリで

完成した

ギャラリーの方々は一瞬呆然とした

その後に拍手が巻き起こり

通行人の外国の方々も足を止めて

このライブアートに見入り

 

店前だけは非現実的な空間になっていた

 

 

真っ白なキャンバスが

18分後に一人の名もなき武将が

生を受けたのだ

 



このライブアートはとても

価値のあるものでした

 

こうじょう雅之

素晴らしいもの魅せてくれて

ありがとう!

 

余談だが

「いさにい、実は、ライブ中

子供のギャン泣き聞こえてきて

一瞬現実戻りかけてん」

 

「マック、ごめん

それ俺の息子・・・・・・」

 

「誠十郎かぁい!」と

大爆笑

 

そうなのだ

ライブ中

子供のギャン泣きが聞こえて

ふと視線を

ギャラリーの方向に向けると

 

「こあい こあい」とギャン泣きしてるのが

息子だった

あまりの迫力に圧倒されたらしい

 



マック ごめんよ!

 

皆様

こうじょう雅之

渾身の原画展

弊社 D-teで開催されています

ぜひお越しくださいませ

 



期間中

基本土曜日は

こうじょう先生も在廊されております

是非この機会に!