一つの区切り | Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG                        

本日は、皆様に

ご報告があります

弊社のお客様は大半の方々が

ご存知だと思うのですが

 

阪急メンズ大阪店

10月末を持ちまして

退店する事になりました。

 

思えば

まだまだヒヨッコだった

私にこのような機会を下さった

阪急さんには大変お世話になりました。

 

オープンが

2011年4月

12年前です

私もまだ36歳でした

 


南船場の小さな路面店

C`ERA UNA VOLTAが

飛ぶ鳥落とす勢いの

阪急メンズ大阪から

出店のお話を頂き

 

安井 坪川と

「やれんのか?」

「いや〜百貨店でしょ・・・」

「僕らには無理ちゃいます?」

 

「いや、こんなチャンス

今後あるかわからん、やるしかない!」

 

そんな討議があって

出店に至りました

 

我々も若かったので

 

希望と夢を抱き

アウェイの地

梅田へ 私と安井で乗り込んだわけなのです

初日は記録的な売り上げが上がり

有頂天だった我々が

ギャフンとなったのが

 

4階ドレスクロージングで

セレクトSHOPをやるという難しさ

 

当時はまだまだ

百貨店には必ず出店されている

ブランドさん達が居て

隣にはリングヂャケットさんがあり

 

我々なんて

本当に「誰やあのチャラついた奴」だったに

違いありません

 

ここで

わがままな私は安井だけを残して

古巣南船場へと戻るのです

なんちゅう奴や 笑

 

ここから安井英樹の

地獄のような日々が始まります

 当時の安井

なんちゅう・・・

着られてる感を出してるんや

安井君・・・


 

路面店のように

売り上げが取れないのです

 

百貨店と路面店の

明らかな違いは

「自由度」で

路面のノリで接客をしていると

たちまちクレームが起きたり

社員の方に注意されたりと

 

当時の我々には

「窮屈」そのものでした

 

今だから言えますが

安井は激痩せして

 

心も何度か折れかかって・・・

いや折れてました

 

「いつ、辞めますって言ってくるかな?」と

私も覚悟していましたが

 

しかし、ここから

安井は

奮起して

周りのスタッフさん達に顔を売ることから

初め

 

売り上げの悪い時など

当時扱っていた

¥2,900ーのボクサーパンツを

他店の方に買ってもらいに

いくくらい

 

売り上げを作る難しさに

直面していましたが

 

いつの間にか

当時、PT01の名前だったパンツを

日本でも上位に入るくらい

売り上げを上げてゆき

お客様にも愛される

男に変わっていったのです

 

「え〜メンズ館に出店してるの?

凄いじゃないですか」と言われることに

ステータスを感じていたくらい

知名度がなかった

我々でした

 

阪急の社員さん達も

かなり協力的で

本当にお世話になっていました

 

たまに 館をクローズして

メンズ館のイベントがある時にしか

顔を出さなかった私ですが

 











「こんなにも

お客様に愛されているんだ」と痛感するくらい

安井のお客様が増えていて

私は驚きを隠せませんでした

 店舗も増え

スタッフも増え

そこから、我々は茨の道に進んでいることを

誰一人理解していませんでした

 

インターネットの普及で

WEBで買う方々が増えて

「買う」という形が

変化してゆきました

 

ウインドーショッピングが激減し

 

新規の方々は

「メンズ大阪店に任せよう」と舵を切りましたが

 

百貨店ビジネスは

売れた額のパーセンテージを

支払うことで

 

それが家賃にもなり

手数料にもなります

 

楽天さんや ZOZOさんなども

そうですよね

WEBの百貨店が前者です。

 

プライベートブランドや

メーカーさん直営のお店なら

原価率も低く

百貨店さんに支払う手数料でも

商いを続けられますが

我々のような

「仕入れて売る」商いには

難しいという現実にぶち当たります

現実味を帯びてきたのが

コロナによるパンデミックでした

 

何度も考えました

スタッフ達とも何度も討議しました

 

約12年続けてきた

「愛着のある舗、お客様」と決別するべきなのか?

経営者として

決断したのが

「少数精鋭」と言われていた頃に戻す

組織としての絆をもう一度

深いものにする事が先決だと

私は経営者です

スタッフは勿論

彼らの家族を守る

「当たり前の義務がある」

彼らが「ここで働いていて良かった」と

思ってもらえる為に

法人也したのではないのか?

今一度 原点を見つめ直しました

またパンデミックが起こると

一気に小売業は

この世からなくなってゆくでしょう

とどめにこの為替です

 

「自分は有言実行だけは

絶対に守ってきた、それは

自分の中の鉄の掟であって

皆と同じ方向に向かい

今のアパレルビジネスのモデルを

ぶち壊してゆきたい

これからはこういう戦略でいこうと思っている

これに共感してもらえる人たちは

残って欲しい

もし無理ならば

自分に見切りをつけてほしい」と

彼らに

己の覚悟を話しました。

 

誰一人と

「では訣別します」と手を挙げた

方々が居なかった

それどころか

「やりましょう甘えてました」と

言ってくれる彼らを見て

 

必ず 皆と見ている高みへ!!と

久しぶりにワクワクしました。

 

 

あれから士気が一気に上がり

記録的な売り上げが連発して上がり

 

イベントのお話なども

沢山入ってきて

 

短期間で

「あの頃」に戻る事ができました

 

人は慣れると

堕落していくもの

慣れとは仕事の最大の天敵で

奴らの誘惑に打ち勝てる

覚悟という武器を手に入れなければなりません

 

我々は

次なる道へ進みます

 

慣れ親しんだ

梅田から離れる事になりますが

また新しい報告をする事が

多々あります

 

その前に

我々がお世話になっている

メンズ館へのそれぞれの思いを

スタッフ達が

文で綴ってゆきます

 

私の次は

阪急メンズ大阪店で

頭角を表した

安井英樹です

 

明日、彼が止まっていた

ブログに書くとのことなので

皆様是非読んでください

安井のブログ

→ 安井英樹のブログ


 

10月末に

また私のブログで退店前の

メンズ大阪店の様子なども綴ってゆくので

よろしくお願い致します。

 

最後になりましたが

阪急さんの担当して下さった

部長 マネージャー

社員の皆様

周りの店舗の皆様

そして

愛すべきお客様

まだ少し先ですが

本当にお世話になりました。

 

これからも良い報告ができるよう

精進してまいります

引き続き、皆様

弊社をよろしく御願い致します・

 

             加藤 効