久々の花の都パリ | Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG                        
ここ数年
イタリアで事足りていると思っていた
一昨年あたりから
「ん?イタリア大丈夫か?」と
思いはじめていた

なので
重い腰をあげて
今回の出張スケジュールに
パリを入れた

思えば
バイヤーデビューして
初めて行った国はパリだった

当時 アジア人というだけで
差別されたり
ぼったくられたり
パリには苦いおもひでが多い

マヌケなおもひでも多い 笑
その時のブログ

だから
私の中で
パリはちとドンよりしている
イメージが植え付けられ
行けばパワーも貰えるが
行くのを躊躇していたのも
正直な意見

昔、一緒に商売をしていた
アラン・ゴシュアンという
デザイナーがいる

彼は
現役のモデルもしていて

ブルネロクチネリや



コムデギャルソン
ドルチェアンドガッバーナ
など
数多くの
ブランドのショーに出る
いわば
トップモデルだ

もう15年彼に会っていなかったが
Instagramで繋がっていたので
久しぶりにコンタクトを取ってみた

彼は言う
「イサオ、君とは縁がある
僕がデザイナーとしてデビューした年も
君とビジネスをしたし
デザイナーとして再始動した
年も君から連絡があった
それに驚いている」と言う
15年前の
アランとの写真


そして
彼の自宅兼アトリエを尋ねると

「えーーー?アラン
なんすか?この住まい
勝ち組やんけ!」と
最高のマンションを購入していて

ベランダからは
エッフェル塔が見え
パリを一望できる
最上階に住んでいやがった 笑

久しぶりに会う
アランは
歳を取ってより渋さが増し
そして洗練されたシャツを作っていた
「再始動して最初の顧客が
ウィル・スミスで2番目がイサオなんだ」と言う
なんとも、嬉しいやないか!

また彼と一緒にビジネスができる喜びと
日本人手付かずのブランドと
タッグを組む
私にしかできない角度で
絶対おもろいもん作ってやると
思うと

イタリアで育ってきた石橋に
任せっきりで
己の忘れかけていたナニカに火が付き
本当に自分自身にも
良き旅になった

イタリアにはイタリアの
最高のパッションがあるが

パリにはまた
違う 洗練されたパッションがある

そう
ファッションとはパッションなのだ


フランス人の
ネクタイデザイナーと
これまた組んで
ネクタイを作る事が決まり

廃棄一歩手前のビンテージの
シルクをガムシャラに漁り


オタカラを作る

「そうや、これやで
ゼロを共に1➕1で2に変える作業
忘れてよ、俺」と
まだまだ
自分は
この感覚を大切にせねばと
猛省した

パリは丁度
大規模長期ストライキ中で
タクシーも捕まらない

地下鉄も限られた線しか
走らない悪条件だが

「歩きゃええ」と

オペラからシャンゼリゼを
歩いた

己の足で歩き
己の目で探す

これ基本やんと
基本を忘れていた己を取り戻す為に
一歩一歩が手応えになった

アポに遅れそうだったので
数秒だけ横切る
凱旋門も


また
ナニカを思い出させてくれた

パリにくる
ブランドは
イギリスのブランドも多く
その中でも
イタリアでは馴染みが浅いが
イギリスの最高のブランドにも出会え

体調の悪さも
吹き飛ぶほど
充実していた

やはり
慣れは怖ろしい
そして

非日常を売るニンゲンが
日常に満足していてはいけないと
思えた旅だった。

さあ
やったろうじゃありませんか!