Mr.ディスカウント | Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG                        

関西人だからなのか?

 

わたしゃ海外のメーカーには必ずディスカウントを交渉する

 

勝手に「ほなまけとくな~」とは絶対言ってくれるわけないのが海外であり

 

それならこちらから仕掛けるのが必然の行動だ

 

ディスカウントをいれてもらえる事によって

店頭の上代(店頭の価格)を少しでもおさえることができる

 

企業努力ってやつである 笑

 

弊社石橋も同じような事を

彼のBLOGで綴っているが

↓石橋ブログ

 

 

 

折角オーダーいれたのに

日本に届く前にキャンセルされる事も多々ある

 

以前から当店で人気のある

 

ブルゾンメインのブランドは

 

前期ほぼキャンセルだった

 

こちら側も時間と渡航費や海外での必要経費をかけて

異国に渡る

それがキャンセルされると

結構な痛手になる

 

最近は

別行動を取る時間も増え

石橋1人でPITTI会場を廻ってもらい

「なにか引っかかるものがあれば教えて」と言っている

 

ずっと2人で廻ると彼の為にも良くない

「手伝い感覚」を彼から拭いさるためだ

 

決して遠くない将来

1人で行った時に

 

この行為が彼を

様々な窮地から救ってくれることだろう

と私は信じている

 

「00のブランド良いツラガマエだったのですが

値段も決まってないし

日本で決めてメールしてオーダーしようと思うのですが」

 

「ふ~~ん」

と私は言い

 

そのブースに向かった

 

そこのブランド責任者が居た

 

このブランドとの始まりは

PITTIで数年前引っ掛かりつつも

まだデビュー間もないブランドだったので

当時予算のバジェットも使い切っていたので

 

次のシーズンを待とうとしていた

 

ミラノに移動しWHITEというメッセで

 

彼が後ろから追いかけてきた

 

「ピッティで会ったよね

ショウルームに是非来て欲しいんだ」

 

「いや~スケジュールパンパンでさ

無理やなあ」

 

「そんな事言わずに

少しの時間だけ」

 

「わかったよ」と熱意に押された

 

ピッティで見た時は

型数も少なかったが

 

ショウルームでみると

「おおっ!!」と数の多さに驚いて

 

その場でオーダーを決めたのが始まり

 

私の持論は

「はじまった商いは極力続けて信頼関係を結ばねば

互いに結びつけるのはカネだけであって

後に何も残らない」

ということで

 

前回キャンセル喰らいムカムカしていたが

ブースに向かった

 

悪びれもせず

「どうだ、新しいコレクション」

 

「ええやん」

 

「だろ~~」

 

「日本でオーダーしてくれよ」

 

「いや、今する」

 

「え~プライスも決まってないのに」

 

「ジブンいっつもそうやねん前回もキャンセルしたし

プライスの近似値くらいでるやろ

今から選んで 最終プライスだけメールしてきて

それでこちら側が値段のOKならオーダーや」

 

「・・・・・・・わかったよ」

 

ここまで詰めないといけない

 

ボヤっとして日本に持ち帰れば

かなりの高確率で

取引は成立しない

 

バイイングを終え

 

「なあ」

 

「ん?」

 

「ディスカウントは?」

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「え~まけられないよ
コストギリギリで作ってるんだぜ」

 

「いんや、君がキャンセルしたせいで

どんだけ迷惑こうむったか」

 

「・・・・・・・・」

 

「今日から君の事をミスターキャンセルと呼ぶ」

 

一瞬ピりっとしていた空気が一気に和む

 

「ハハハハ良いアダナだ

わかったよディスカウントするよ」

 

「グラッツェ(ありがとよ)」

 

「プレーゴ(ええよ)」

 

固い握手を交わし

 

商談が終わった

 

交渉というのは

懐に飛び込むタイミングで全てが決まる

 

そのタイミングが数ミリズレると

それは決裂してしまう

 

経験がそのタイミングに「GO」と教えてくれる

こればっかりは

場数なのだ

 

その後

ご飯を食べていると

偶然レストランで彼らに会った

 

不思議なもので

縁が深まると

こういう引き寄せのチカラが生じるのだ

 

そして

彼は石橋にこう言ったらしい

 

「俺はミスターキャンセルだが

お前のボスはミスターディスカウントだぜ」と

 

イタリアで

 

最高なアメリカンジョーク

 

だから海外はおもしろひ。