小売りのSAGA | Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG                        

我々小売業のバイヤーは必ず通るいばらの道

「ディストリビューター」

要するに独占契約

いくらええもん見つけたと思っても

ディストリビューターが付いているブランドは

そこを通さねばならないので

結局は国内メーカさんとの取引になるので

海外に行く意味を持たなくなる

 

ずっと続けていたブランドに突然ディストリビューターが付いて

取引が終わるケースも多々ありますし

 

ピッティなど大きなメッセに出ているブランドは

ほぼ日本のディストリビューターが付いている

その穴をかいくぐってまだ見ぬブランドを発見するのが

我々の醍醐味なのだが

 

ドイツで見つけたこのシャツブランド

「Filnoir」が日本と取引したのは

弊社が初めてだった

私がドイツに行く理由は日本人が手をつけていない
「未開の地」だと思っていたから飛んでいたのだ

 

しかしこのブランドにもメーカーさんが付いたと連絡がきた

 

だけど

このブランドのオーナー ハイコ氏は

こう言う

「イサオ 君とは日本で初めて取引したお客さんだ

私にとって特別で大切な存在なんだ

だからそこのメーカーさんにはこう条件を出した

イサオの会社とだけは今まで通り直接取引をさせてくれと」

 

今まで色んなビジネスマンを見てきた

ディストリビューターがついたら掌を返したように

態度も変わり

人間関係も崩れるところもある

だからこう言われて

胸が熱くなった

互いに思う事が同じだったのか

ナチュラルにハグが生じた

ビジネスなんて縁の切れ目は金の切れ目だと割り切って仕事をしている部分もある

だが時にはソレを超越した絆が勝る事もある

 

こういうブランドとはずっと付き合いたいと

私は思う

 

彼らクラフトマンの想いを

現場人が伝える使命感を持って

店頭に立とうと弊社は思っている

 

異国の地
マイナス6度の

極寒のベルリンでとてもアタタカイ気持ちになった。

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