以前アマゾンで通販をした折、プライム会員に登録していたことをうっかり忘れてしまい、無料期間が過ぎて料金が発生してしまいました。
慌てて解約したのですが、この契約でサイトの方から無料で映画を観られることを知り、せっかくですので契約終了までの間、3日連続でパソコンで映画を観ました。今回はそのお話です。
一日目 「レジェンド&バタフライ」
この映画、主演を務めるのがあの木村拓哉さんということもあり、公開前からかなり話題となっていました。
自分もかなり気になっていたのですが、公開当時、自分は前職を辞め、転職活動中。
それもあり、結局行けず終いで惜しいことをしてしまいました。
今にして思えば、一回くらい映画を観ても家計的にはどうということもなかったのですが、
当時はなかなか仕事が見つからず、先の見通しも立たなくて不安だったのです。
因みに仕事の方は、その後、無事新しい職場を見つけることができました。
さて、映画の方です。監督は大友啓史さん、
脚本は大河ドラマ「どうする家康」のあの古沢良太さんです。
主なキャストは
織田信長 木村拓哉
帰蝶 綾瀬はるか
斎藤道三 北大路欣也
明智光秀 宮沢氷魚
羽柴秀吉 音尾琢真
徳川家康 斎藤工
こんな感じです。
まず、織田信長。前半の若い頃の信長は、真っ赤な衣装こそ着ていませんが、
さすがは小沢さんの脚本。「どう家」の信長ととてもよく似ています。
「どう家」の信長は少し作り過ぎ、やり過ぎな感がありましたが、
こちらの信長は本当に自然で、信長の若い頃はきっとこんな感じだったのではないかな、と思えました。
帰蝶は、美濃の蝮、斎藤道三の娘だけあって、とても気の強い、武勇に優れた逞しい姫です。
この姫、祝言の初夜早々、信長に馬乗りになり、腕を捻り上げてしまいます。
この場面では思わず漫画の「本能寺が燃えるのじゃが」の抜き身の刀を振り回し、
信長を追い回す場面を思い出して笑ってしまいました。
こんな調子で、これ以降もこの二人はケンカをしながらも、次第に心を通わせていきます。
お互いを思い合う仲のいい夫婦、という感じで、この辺りは「信長協奏曲」の信長と帰蝶に似ています。
この帰蝶、ずっと美濃弁でしゃべっているのですが、物語の中盤以降、中年になったあたりからはなんだか秀吉の正室のおねに見えてしまいました。
明智光秀はこれまでに見たどんな光秀とも違います。
オーソドックスな信長に比べ、こちらはかなり変化球の光秀です。
こんなに猛々しくギラギラと野心を燃やす武闘派よりの光秀は初めて見ました。
どう家の光秀にしてもそうですが、この古沢さんはもしかして光秀にあまりいい印象を持っていないのでしょうか。
家康はなんかタヌキっぷりがすごいです。
家康接待の場で信長が光秀を殴る蹴るしている前で顔色一つ変えず平然と食事をしています。
その後の光秀とのやり取りでは「真田丸」のこんなシーンを思い出しました。
真田昌幸が信長の臣下につくため安土城に出向いた際、そこで出くわした家康が
「そういえば『武藤喜兵衛〗(実は昌幸本人) という侍をご存じありませんかな。
三方ヶ原の戦では手酷い目に遭わされましてな」
と問いかけ、知らぬふりを決め込む昌幸とバチバチとにらみ合います。
見ているこちらも冷や汗をかくようななんとも緊縛した場面でした。
そしてラスト。終盤の本能寺の変ではひと捻りあって、もしかしたら、などと淡い期待をついつい抱いてしまうのですが、やはりどんなに悲しくても史実は変えられないのですね。
しかし、それがあってこそのあの最期の別れ。悲しさが際立つともいえるのです。
これまでの信長ものでは、どちらかというと光秀に肩入れして見ることが多かったですが、
今回は光秀のキャラもあって、信長に助かって欲しいと思いました。
今回は以上です。