2月9日封切りのタイトルの映画、遅ればせながらようやく観てきました。
以前このブログでも紹介した「首」という映画を観たときには
上映前の予告編はされていませんでした。
映画鑑賞後にシネマ館をあちこち見て回った際、
今後上映予定の映画のチラシが入ったボックスの中にこのチラシがあったのを見つけ、
「これは絶対面白いやつ」と持って帰ってきました。
と、ここまで期待値を上げまくってから観たものの、
その期待を上回る圧倒的な面白さは想像以上でした。
これは本当に観てよかったです。完全に自分好みの作品でした。
これまでに観た映画の中でも上位ランキングに入ることは間違いありません。
というのも、原作・脚本はあの「超高速!参勤交代」の土橋章宏さん。
これだけでもう面白くない訳がありません。
以前このブログで、ChatGPTを使って「吉良殿のスマホ」というかなりふざけたストーリーを
作ってみたことがありましたが、いやあ、やはり本当に面白いものはプロの作家にお任せするものですね。とにかくプロットが見事というしかありません。
さて、物語の大まかな流れです。
吉良上野介からの陰湿ないじめに耐えかねた赤穂藩主、浅野内匠頭が、江戸城内で吉良に斬りかかった。
ここまでは普通の「忠臣蔵」の設定なのですが、ここからです。
内匠頭は当然切腹となったが、実は斬られた吉良も背中に逃げ傷を負って瀕死。
逃げて死んだとなれば武士の恥、お家取り潰しは必定。
そこで上野介にそっくりな弟の孝証を身代わりに立てて幕府を出し抜こう、
という前代未聞の作戦が実行されることに。
と、こんな設定です。
監督は河合勇人さん。「かぐや様は告らせたい」や「総理の夫」などの監督です。
そしてキャスト。
主演はムロツヨシさん。吉良上野介と顔がそっくりな弟の孝証の一人二役です。
ところどころ「どうする家康」の秀吉が重なり、思わず笑ってしまいました。
大石内蔵助役は永山瑛太さん。内蔵助といっても、忠臣蔵ものでよく描かれているような、
浅野家家臣たちを引っ張っていく強きリーダーという単純な役柄ではありません。
この内蔵助、人はいいのですが、主君の仇討ちを望む血気盛んな過激派と、
あくまでもお家再興を望む穏健派との板挟みに困り果て、
妻に弱音を吐き、愚痴をこぼしては、遊郭で遊び歩くような人間味のある管理職です。
徳川家の側用人である柳沢吉保を演じるのは柄本明さん。
幕府の都合のいいように一連の事件を裏から動かそうとする黒幕という重要人物です。
そういえば、この柄本さん、確か以前ドラマでみた「忠臣蔵」では吉良上野介を演じていらっしゃいました。この方はこういう憎たらしい悪役がかなりハマリ役のようです。
映画やドラマでは「人柄のいい一般人が悪政を敷くトップに代わっていい政治をする」
というようなストーリーがたまに描かれたりします。
例えば、韓国の映画では「王になった男」、アメリカでは「デーブ」、
少し意味合いは違うものの「記憶にございません」や、ドラマでは「信長協奏曲」もその範疇でしょうか。
自分的にはこの系統にハズレはない、という印象です。
これほど楽しみにしていたこの映画、それがようやく今回の観賞となってしまったのは、
タイミングを逃しているうちに、気がつけば3月になりあっけなく上映終了。ああ残念
と思いきや、よく調べてみると一日一度のみの上映が継続されていた、
とこういう次第でした。
この奇跡を逃してはなるまいと、自分が行ったのは終演の間近の平日の朝。
それもあり、本来は盛況だったであろう館内もこの日はさすがにガラ空き状態。
自分が入場した時点では10人いるかどうか。
自分の座った列にもその前にも誰一人おらず、図らずも映画に集中できました。
そして映画が終わり、エンドロール。
会場が明るくなるのを待って、さあ帰ろうと振り返ると、
なんと客席には誰も残っておらず、そこにいたのは私一人。
これにはさすがに驚きました。皆さん帰るの早っ
今回は以上です。