31日目 煮詰まっていたのは私 | 焦らず、諦めず *くも膜下出血・高次脳機能障害の夫との記録*

焦らず、諦めず *くも膜下出血・高次脳機能障害の夫との記録*

夫がくも膜下出血で倒れました。
まだ40代。私は30代。
子どもは高校受験、中学進学間近。
グレード5でしたが、意識レベル300でしたが、
生きてます。
高次脳機能障害、右同名半盲という大きな障害が残りました。
焦らず、けれど諦めず。
ゆっくりと、少しずつ。

31日目。
今日はパートも休みなので、朝から面会に行って来ました。
繁忙期に希望休でもないのに2日間も休みをもらってしまった…。まあ1ヶ月お休みもらってたので、ポンコツですが💦
年末年始は9連勤とか13連勤とかしてたので、こんなに休んでいいのか!?と不安になってしまう。

今日も朝からお見舞いが3組来てくださいました。
主人と同じ軽音楽部の顧問の先生。
主人が何かと顔を出してたまにトレーナーとかしている吹奏楽部の顧問の先生方3名。
中学からの友達2名。

軽音の先生は、「1年生にギターがめちゃくちゃ上手い子が入りましたよ〜!ソロも行けそうなくらいです!」と。
小学校新一年生の娘さんと一緒に来られたんですが、可愛かった。6年生の息子が今小学校で1年生のお世話をしているから、「あーうちの子、これくらいの子たちのお世話してるのか〜」と感慨深いです。
「1年生のお手手、めっちゃ小さくて可愛いんだよー!」って言っていたのを思い出しました。
正直「そんなに小さくないやろう」と思っていたんだけど、確かに小さいな。

友達2名は、「まさかこんな元気になってるとは思わなかった!」と。
ちょうどお昼を食べていた時にいらっしゃったので、昼ご飯のメニューを見てびっくり。
「え!?流動食とかやないと!?」と。
ふつーに汁そば食ってるのを見て驚いていました。

吹奏楽部の3名の先生方は、主人が元気なことを泣いて喜ばれていました。
更に、主人が学年末に抱えて悩んでいた問題のその後の話をしてくださいました。
主人の学校は、県内で見ても結構下の学校で、退学・停学が年間50名くらい?だそうで。
年度末に赤点取った生徒の救済で奔走していました。
それこそ卒業式に(単位が取れていない生徒を)卒業させるかさせないかという問題もあり、卒業判定会議では管理職と対立したりしていたみたいです。ところてん式に押し出すのか、卒業保留にして2週間補修をしっかり行い遅れて卒業させるのか。
主人はところてん式に反対で、「成功体験を積ませて卒業させたい。押し出されて卒業しても、その後の就職先でつまづいて欲しくない。2週間大変でも、忍耐強くやって、やりきった感を味わって卒業してほしい」と、補修生の中でも一番大変な子達を受け持っていたみたいです。
3年生は無事2週間遅れで卒業。1、2年生も無事単位認定されて進級できました。
その進級組の中の2名が、今年副担任で受け持つはずだったクラスの子らしく、主人が急遽副担任から外れたことで暴れたらしく💦
「何で副担任から先生が外されたとか分からん!」と。

意識が戻らない状態の時に、私は学校に箝口令をしていただきました。
お見舞いに来られても困るし、とにかく私自身がとてもじゃないけど対応していられるような精神状態ではなかったので、何がどうなってもいいように家族だけにして欲しかったのです。
そんな訳で、「先生は体調が悪く入院しています。どこに入院しているのか、どう言った具合なのかは家族の希望で言えません」としていただき、やっとごく最近面会できる状態になったので解除していただきました。
その子たちにも悪いことしたなあと思います。とても主人に懐いていたのだろうと思うけど。
でも、あの状態で逐一学校に実況中継出来るような精神状態な嫁なんていないよ。
家族にすら「少しずつ良くなってる」という報告しかできないで、ずっとずっと抱えたまま、ネットの中で主人がどうなるのかと検索しては泣き、辛くて辛くてたまらなかったのを、よく知りもしない学校の先生方にどう報告できるのか。

涙なみだの面会が3組終わり、主人と二人でしばらく夕日を見ながら話していました。
長くなってしまったので割愛しますが、リハビリの中でパソコンを使って見たものの、ブラインドタッチが壊滅的という「情報処理の先生」としてのアイデンティティも崩れ、改めて主人の壊れっぷりに涙が出ていたのですが。
「今日誰が会いに来てくれたか覚えてる?」と聞くと、「え?誰も来てないし会ってない」と。
「ブラインドタッチできなかったよね」にも「そんなことはない!」と。
忘れていることを忘れるとは、なんと罪なことなのでしょうか。
あの涙も、嘘ではないけれど、幻になってしまった。
私の母が亡くなったことも覚えていないで、大泣きする。
けど、次の瞬間にはその事すら忘れてしまう。
悔しい!出来るようになりたい!リハビリ頑張る!と決意したことも、真っ白になってしまった。
歯磨きしようとボックスティッシュを持っていく。
洗面所の前で、水道の出し方がわからない。
部屋に戻れない。
迷う。

昼間、先生方と普通に会話をし、
笑い、泣き、
「なーんだ!先生めちゃくちゃ元気なんですね!」
「そう、ちょっと目が見えづらいんだよね」
「それだけで済んだらすごいじゃないですか!夏には復帰できるんじゃないですか!?」
「うん!夏には戻れると思う!」
と、意気揚々と復帰宣言をしていた主人。

この人、何にもわかっていない。
なんて、悲しいんだろう。