登山における1番の楽しみや動機付けは、何と言っても頂上に立つことです。

現在、日本国内では未踏の山はほとんど存在しておらず、多くの人々に繰り返し登られているため、その山に関する情報も溢れています。

目的とする山に関する情報を予め入手して、装備や心構えを整えることも容易です。

しかしながら、初めて訪れる山の中でも、特に険しい山、大きな山(行程の長い山)となると、かえってその情報に翻弄され(?)て、気持ちが萎えてしまうこともあります。

ましてや、天候が悪くなると、行動を続けること自体が辛くなりますので、頂上に立つことなく、途中で引き返してしまったという経験がある登山者も多いことでしょう。

私がそのような経験を初めてしたのは、小学校3年生の時に初めて登った富士山でのことでした。登りの途中から大雨になり、風も強く、視界が悪くなり、私はとてつもない恐怖に襲われ、先に進む気にはなれませんでした。父と兄が一緒でしたが、私の一方的なわががまま(?)で、8合目で下山しました。

当時は、現在のようにゴアテックスのレインスーツも、防水加工の施された登山靴も所有していなかったため、雨で濡れたた体が冷え切ってしまったことも、続けられなかった事実です。以来、20代後半で富士山の頂上に立つまで、約20年、富士山に登る機会もありませんでした。

悪いイメージがそうさせたのかもしれません。

また、初めて北アルプス、剱岳の別山尾根を登った時のこと。

土曜日に剱沢小屋に泊まり、日曜日に頂上を目指す計画で、1人で出掛けたのですが、小屋で既に頂上を踏んできた人から聞かされた情報から、「こりゃとんでもないところに着てしまったのかな?」と思ったものです。

しかも、ラジオでは日曜日は天気が崩れるとの予報が流れています。朝、早立ちして取りあえず行けるところまでは行ってみようと思い、準備をしていると、小屋に泊まった人の半分以上が帰り支度をしていました。しかし、私は、思い切って単独行の初老の男性に声を掛け、同行させてもらうことにしました。

幸いにも、小屋と頂上までの往復には雨に降られることもありませんでした。

しかし、正直なところ、私1人だったら、どこまで登ったでしょうか?前剱あたりまでかもしれません。登山を始めたばかりのころは、小さな雪渓のトラバースも怖くて、途中で引き返したこともあります。単独行が多かったため、気持ちを強くもてるようになるまでは、かなりの時間を要しました。

経験が少ないうちは、自分で判断できる範囲が非常に狭いため、マイナスイメージばかりが頭の中を巡っていました。

少しずつ経験を積んで、過信をせずに、自分で判断できる範囲を広げていけば、「怖い、きつい」ばかりだった登山も、きっと楽しくなるに違いありません。



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日本の山の最大の魅力は、歩いて登れるところにあります。
日本の山のように歩いて登ることを楽しめる山は、世界的にとても珍しいことです。
ヨーロッパのハイキング(トレッキング)は、山麓を歩くことを楽しむもので、山頂を目指すものではありません。ヨーロッパのアルプスで頂上に立つには、ロッククライミングの技術が要求される上に、相当のリスクを背負うことになります。
しかしながら、日本の山は、ロッククライミングの技術や装備がなくても、頂上に立つという登山の醍醐味を味わうことができます。
また、アルプスもヒマラヤも山が大きすぎて、1つの山に登るだけで精一杯で、例外を除いては、縦走登山などできません。ほとんどの場合、いわゆる往復登山です。
それに対して日本の山は、立山連峰、後立山連峰縦走などのように、稜線の長距離縦走が可能です。
さらには、夏は北アルプスや南アルプスの高峰へ行き、冬は近郊の低山に登るというように、四季を通じて山頂に立てるというのは、日本でしか味わえないものだと思います。 中高年のための登山入門/富士山、北アルプス、南アルプス、八ヶ岳などの3000m級の山に 登る!中高年・女性・初心者(これからが、安全かつ快適に登るために必要な知識や技術を身に付けるための入門書(マニュアル )です。登山用語集、深田久弥の日本百名山、岩崎元郎先生の新日本百名山、花の百名山、山に関するリンク集、天気予報、山岳 会HPのリンク、登山専門店HPのリンクなども掲載しています。 TANTANTOWN ギャラリーマイナスわん
体力不足も問題です。
年齢的なことを言えば、かつては60歳にもなれば登山などはしなかったのですが、最近は60代、70代の人たちも当然のように山に出掛けています。
「自分はもう若くないし、体力も衰えた」と自覚していれば、例えば、ガイドブックのコースタイムの倍の時間をかけるとか、一泊二日のコースであれば、二泊三日で行くというように、余裕を持って行動することも必要です。ところが、未経験の初心者はガイドブック通りに実行しようとしがちです。ガイドブックに載っているコースタイムは、体力がある健脚者のものです。それを理解せずに山行(さんこう)計画を立ててしまうと、トラブルに見舞われることにもなりかねません。
また、体力がなければトレーニングを積めばよいのですが、ほとんどの人は何もしないまま山に登ります。他のスポーツならばトレーニングを積むところが、歩きが基本の登山では、何故か無頓着なのです。
東京などの近郊の低山ならば大丈夫かもしれませんが、少々大きな山になると、登りで体力を使い切ってしまい、それが下りで転倒や滑落の原因となることがあります。そして、転倒が捻挫や骨折を招き、あるいは転がった弾みで崖の下に転落して遭難という事例が、中高年登山の大きな問題になっています。
登山は素晴らしいものである反面、これまでにお話ししたような負の面があることも認識しておいて下さい。 中高年のための登山入門/富士山、北アルプス、南アルプス、八ヶ岳などの3000m級の山に 登る!中高年・女性・初心者(これからが、安全かつ快適に登るために必要な知識や技術を身に付けるための入門書(マニュアル )です。登山用語集、深田久弥の日本百名山、岩崎元郎先生の新日本百名山、花の百名山、山に関するリンク集、天気予報、山岳 会HPのリンク、登山専門店HPのリンクなども掲載しています。 TANTANTOWN ギャラリーマイナスわん