平井憲夫氏が書かれた、
「原発がどんなものか知ってほしい」
というレポートを読みました。
平井氏はもう亡くなられていますが、1級プラント配管技能士で、長年、原子力発電所の現場で、現場監督として働いておられたそうです。
このレポートは、1995年の阪神淡路大震災の被害状況を見られた平井氏が、原発にも同様なことが起こりうると考えられ、翌年に書かれたものです。
このレポートから1部をご紹介します。
原発の設計は、フェイルセーフも含め、きちんとされているそうです。
しかし、きちんとされているのはあくまでも設計の段階の話であって、実際の施工においては、それがきちんと実現されているとは言い難いのだそうです。
なぜそうなるかというと、現場で実際に作業をする職人さんの技量が低下してきているからです。
例えば、鉄筋の接続部の溶接を行なう溶接工の技量が不足しておれば、設計通りの強度が出ないないのは当然です。
私も以前勤務していた会社が建築関係でしたので、その間の事情は理解できます。
建築現場の作業環境は3K(危険、汚い、きつい)と言われ、若い後継者が少なくなったことも一因でしょう。
検査体制や検査官のレベルも十分ではないそうです。
検査官のなかには、施工の専門家ではない人もおり、そのうえ、常に現場を見ているわけではなく、出来上がったものと書類を見るだけということが多いようです。
施行写真は撮られているでしょうが、写真だけでは十分に施工状況を把握することはできないでしょう。
その他、定期点検工事のこと、事故のこと、放射性廃棄物のこと、等々いろいろな原発の状況が書かれています。
結論としては、設計に重点が置かれ、現場の施工、管理が十分でないため、「安全」は机上の話ということのようです。
前述のとおり、このレポートは1996年に書かれていますので、ほぼ20年前の状況です。
その後改善されている点もあるでしょうが、果たして根本はどうなのでしょうか。