2,3鍵盤を押し顔を上げ音を聞くと
左右の腕を鍵盤に広げ 何やら計っているような動作をし
音を出し始めた
「ぇ!? 見えないのに弾けるの?」
「何となく 指が覚えているというか」と言って曲を弾き始めた
悲しい感じの曲を弾くな
「それ 何て曲なの?」
「ベートーヴェンのピアノソナタ8番 悲愴です。。 」
そっか・・さっきあんな事があったから 悲愴かぁ
涙は見せないが彼女は心で泣いている
「他は?何かそれ悲しいから 綺麗なのとか楽しいとか」
「じゃ バッハのプレリュードとか?」
綺麗なメロディーだけど やっぱり悲しい音に聞こえる
これもすぐ辞めた
「じゃ ちょっと本気で」と笑う
「本気?」と笑うと
「早くて難しいのでよく間違えるんですよ
しかも見えないからどうだろう。。」
「何て曲?」
「ショパンの幻想即興曲です」と心配げに始めた
難しいのは納得だな さっきとは違って指の動きが早い
見えないでここまで弾けるなんて・・
しばらくして終わるとキョーコが少し疲れていた
「お疲れさま 上手くてびっくりしたよ」と言うと
「そんな私程度じゃ それとちょっと疲れましたね」と言って笑う
「先生 ありがとうございました
久しぶりに弾けて楽しかったです」
「いや たまたまあったからどうかと思っただけだし
良かったら鍵渡しておくから 好きな時に来ると良いよ
ここまでなら来れそうだったし」
「あっ はい ありがとうございます」と嬉しそうに笑う
「夜とかでも大丈夫ですかね?」
「夜?」
夜は 俺がこの近くで彼女には言えない事をしている・・
「私 いつでも暗闇なので昼と夜が分からない事あって
夜起きてしまうことが毎日で・・」
「看護婦に夜出歩いてると怒られるよ?」
「あ。。 そうですね」と笑った
君にあんな事をしている俺を知られたくない・・
そして病室に戻り
「はいこれ あの部屋の鍵だから」
「はい ありがとうございます」と嬉しそうに笑った
翌日 合間を見てキョーコの部屋に行くと居ない
あ ピアノかな?
地下に行ってみると密かにピアノの音がする
「よっぽど好きなんだな」と一人微笑みながら言うと
「よぉ」
「!!! ちょっ!医院長驚かさないでくださいよ・・」
「多分 居ると思って聞きにきたんだがやはり居たか
どうだ 上手いだろう」
「ええ 見えないでよくあれだけ弾けますね」
「あの子 あれでいて期待のピアニストだからな
指が覚えているんだろう」
「そうだったんですか?」
「うむ その筋じゃ結構有名だぞ
しっかし 何こそこそ見てるんだ お前」と笑う
「いや 病室に居ないんでさっき来たところですよ」
「ほぉ~ で 何だその顔は」
「何がですか?」
「愛おしい彼女を見るようなその目だ」
「ぇ!? まさか俺がそんな訳が」と笑う
「こっち来てみろ」
隣の病室の鏡の前に立たせる
「どうだ」
「!!!! 」
「お前 無自覚か まさかと思ったが・・・
お前彼女の事好きになったんじゃないのか?」
「ぇっ!? そんなありえませんよ 俺が」と笑う
「どうしても認めないつもりらしいが まぁ良いだろう
ただ 言えるのは彼女の入院はそう長くないだろう
すぐに会えなくなるかもしれないな」
「ぇ・・ あっ そうですね・・」
そうだ 彼女はいつまでもここに居るわけじゃないんだ・・
その日の夜 またいつものように蓮が看護婦を抱いていた
しかしキョーコの事が気になり途中で終わらせてしまう
「敦賀先生 まだ最後まで」
「何かそういう気分じゃない
それにもうこの事で俺に話しかけないでくれ
それと ついでに他の看護婦にも言っておいてくれ」
医院長に言われてから気になってしょうがない
俺が1人の女性を好きになった?
そんな 今まで一度もそんな事が無かったのにあるわけがない
と考えながらいつの間にかキョーコの病室の前に来ていた
何で俺・・ ここに・・
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自分クラシックも好きで
スマホとタブレットの着信音とかクラシック使ってます(≧▽≦)
それで今回キョーコはピアノ好きな子に!
ピアノは最近やっていませんが昔やっていたので。。