手すりにつかまりキョーコが慎重に階段を下りていた
そこにさっきの看護婦が何かを言ってわざとぶつかってきた
「ぇ? 何て....?」
目の見えないキョーコは手すりから手が外れ
何も出来ずにそのまま階段から落ちてしまった
「きゃぁぁー!!」女性の悲鳴が上がる
何事かと病院内が騒然となった
たまたま蓮もまだ近くに居たため駆け寄ると
頭から血を流しているキョーコが階段の下で倒れていた
「最上さん!!!」
蓮が抱き起こしすぐさま手術室に運ばれた
自分の白衣に付いた血を見て呆然とする
そこに医院長もすぐやってきた
「蓮 しっかりしろ!」
「でも.. こんなに.. 彼女の血が.. 」
体は振るえ 動揺を隠し切れないでいた
「今辛いのは彼女であって お前がそんなんでどうする」
そうだ 俺はこれでも医者だ
でも昨日自覚したばかりの
初めて愛した女性が血を流して倒れている
何も出来ないこの時間が長く感じてしょうがない・・
血が付いたままの手で頭を抱える
手術が終わった
「先生 彼女 どうなんですか?」
「あぁ 頭を少し強く打ってはいるが大丈夫
血が出たのは打った時に切れたらしい
ただ 目が覚めてからスキャンはしないと細かい事は分からない
なんせ 頭だから何かあったら大変だ」
「はい・・ 」まずは良かった・・・
俺が一人で行かせなければこんなに事に・・
「蓮 お前就いててやれ 病室は特別室に移す」
「はい ありがとうございます.... 」
今までの病室から荷物を運び
特別室で寝ている彼女の元に向かう
行く途中で看護婦の話し声が聞こえてきた
「あんたやりすぎ 生きてたから良かったけど。。」
「だってちょっと押しただけであんな事になるなんて
思わなかったし」
「その話 詳しく聞かせてもらいたいんだけど」
今にも人を殺しそうな人相で看護婦を問い詰める
「だって!あの子が悪いのよ!先生に色目使って!」
「私たちが先に先生に近づいたんだし
私たちの中から選ぶべきよ!」
「はぁ? 何を選ぶんだ?」
「彼女とか奥さんとか。。」
「お前らを最初からそんな目で見てるわけがないだろう?
都合よく使わせてもらっただけだ」
「酷い!!」
「酷いはどっちだ!」
と看護婦の寄りかかっている壁を殴る
「まぁ 処分は覚悟してもらうよ」
医院長に事の真相を伝え 病室に急ぐ
寝てるとは思ったが一応ノックをし部屋に入る
「最上さん 入るね」
目だけじゃなく頭まで包帯が巻かれて痛々しかった
最上さん・・
事件が起きて数時間後
「ごめん・・ 俺のせいで君がこんな目に・・ 」
キョーコの手を取り涙を流した
「先生? っ。。」
「最上さん? 大丈夫? 頭平気?」
「あ。。 ちょっと痛くて。。 すいません」
「どうしたんですか? 何かあったんですか?
泣いてるみたいですけど。。 」
と言って蓮の頭を右手で撫でる
「ごめん・・ その怪我 俺のせいなんだ・・ 」
「はい?」
「まずは言わせて 俺 君の事が好きなんだ」
「ぇ!? 何言ってるんですか? 先生からかって」と笑う
「本気なんだ・・」
そう言ってキョーコの手を強く握る
「何故 先生が私なんかに。。」
「自分から言うのも変な話だけど
今まで容姿や家族の事で女性に付きまとわれる事が多くてね
それを全く知らないのに
俺に接してくれたの君が初めてだったんだ」
「普通の会話が女性と出来るなんて思ってなかった
毎日君と話しをするのが楽しみで 用も無いのに病室に行ったり」
「それからは段々君の事が気になって
どんな事でも愛おしく思ってね・・ 好きになっていたんだ」
「さっき君が倒れてる姿を見て怖くてしょうがなかった
まさか・・って
体中が震えてどうしようもなかった」
「。。。 」
目が見えないがこっちを見ているのが分かる
「ごめんね いきなりこんな話をして 迷惑だったね」
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キョーコごめんね・・ 傷物にしてしまった・°・(ノД`)・°・