中央アジア巡礼行記 2023年

10 サマルカンド(5) 

 

 

 三たび、シヤブ・バザールへとやって来た。この市場、何度か出入りはしていても、大きい上に敷地に高低差もあり、まだ全貌を把握しきれていない。

 

 

 

 

 ビビ・ハニム・モスク横の門から市場内に足を踏み入れると、まず、低い平屋根のかかった区画が現れる。ここには陶器やナッツ類の詰め合わせの店などが並び、若干の観光客相手的な要素も含まれているようだ。

 

 

 

 

 

 

 また、この区画は構内で一番標高が高い場所でもあり、ここから下って行くほどに市民の台所といった色合いが濃くなってくる。

 

 

 

 階段を下りて振り返れば、平屋根の向こうにビビ・ハニム・モスクのミナレットやドームが覗いていい雰囲気だ。

 

 

 

 

 

 

 こうした市場に来ていつも思うのは、野菜でも果物でも大量に積み上げられていて、市場全体にしたらとてつもない量になる筈ということだ。それが結局は売れてしまうのだからすごいと言うか不思議と言うか。

 

 

 

 

 品物の積み上げ方も、なかなかに凝ったところが多く、それを見ているだけでも楽しい。ただし、この市場はディスプレイにこだわりがなく、比較的無造作に商品を並べているだけのところが多いように思う。

 

 

 

 

 

 

 日没の時間を見計らって、今日もレギスタン広場へ行く。やはり、空に青みが残っているトワイライトタイムの夜景は一段と映える。人出も昨晩より多い気がする。平和な光景で何よりだなと思う。

 

 

 今夜は何だか疲れたので、早めに宿に戻って休もうと思う。広場から大通りを渡ったところにハンバーガーのワゴン車が出ている。店の名前がアメリカ―ノで、ハンバーガーにもホットドッグにもコーヒーにもアメリカーノというメニューがあって紛らわしい。

 そういえば、タシケントでもここサマルカンドでも街なかにアメリカのグリーンカード取得代行の店をよく見かける。ノーコミッションを謳っている店舗もあって、どうやって利益を上げているのか謎ではある。それにしても、そんなにアメリカに憧れがあるのだろうか。どう考えてもアメリカの無味かつ無粋な都市よりも文化の香り高い歴史都市サマルカンドに住む方がいいと思うのだが。 

 

<11 サマルカンド(6) へ続く>

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