コーンウォールの夏休み 2012年

 コヴェラック村の第1日  

 

 今しがた車で通って来たコヴェラック村のメインストリートには、夕方のこととて、たくさんの人がそぞろ歩いている。大部分は観光客の範疇と思われるが、何とものんびりした行楽地である。

 岬の先端には小さなホテルがあって、卒業記念パーティーが開かれていた。この若者たちは地元民だろう。ホテルやユースホステルもあるにはあるのだが、いずれも規模は小さく、ほとんどの人がホリディコテージを借りているのだろう。

 

 

 

 

 通りの左右にはかやぶき屋根の家も多く、けばけばしい看板や騒々しさとは無縁の村である。自分たちが借りたコテージもかやぶきで、元は3軒だった連棟式建物の一番端に位置している。

 

 

 夕飯は、通りがかりに見かけたライフボートハウスという店で、フィッシュアンドチップスをテイクアウェイにした。ハドックというフィッシュアンドチップスの材料としては最も一般的なタラの一種を注文する。魚が4.75ポンドでポテトが1.25ポンド。大きいとはいえ、魚のフライひと切れが600円もするわけだ。

 できるのを待つ間に店に飾られている新聞の切り抜きなぞを眺める。メグリンなる魚がこのあたりのローカルな食材らしい。壁のメニュー表には「メグリン・ソール」とあるから舌平目の一種なのだろうか。値段はハドックよりも安い。タラより安いヒラメなのか?

 値段のことはともかく、買って帰ってパンにはさんで食べれば大満足である。飲み物は、隣村にあるロスキリー・ファームの牛乳にした。クリーム分が濃くてうまい。

 

 

 お腹がいっぱいになったあとは、巨大なソファーの上でうにゅうにゅして過ごす。

 

 

 寝室にはオイルヒーターがある。夜は冷えるので最強にして寝たら、暑くて目が覚める。真冬じゃないのだから当たり前である。

 

 

 

 明け方、コテージの窓からは港が見下ろせる。堤防が入江を囲んでいるだけの小さな漁港である。5月のこととて、既に太陽は高い位置にある。

 

 

 

 

 漁船が一隻戻ってきて、堤防の突端で獲物をかごに入れては吊り上げている。潮が引きかけていて、海面から堤防の上面までは2メートル近くあるだろう。荷揚げ場所があるだけで、漁港としたら最低限の設備しかないように思われるが、むやみに埋め立てたり護岸工事をしたりはしていない。

 

 

 朝食には早速スコーンを焼く。立派なアガ・オーブンもあるのだが、さすがにこれは使いこなせない。普通のガス・オーブンで焼くことにする。

 冷蔵庫からバターを出して小麦粉に切り交ぜようとするが、バターの匂いがおかしい。発酵が進み過ぎてるどころの匂いではない。昨日買ったばかりなのにもう腐っている?!

 金色の包み紙をよくよく見たれば、これはバターでなくヴェジタブル・ファット・スプレッド、要するにケーキ用のマーガリンであった。もちろんマーガリンでもスコーンは焼けるのでひと安心する。

 オーブンを220度にして13分・・・全然焼けていない。250度にして更に7分焼いてちょうど良く焼けた。このあたりの加減は、オーブンごとにやってみないとわからない。

 クロテッドクリームは業界第2位?のトレウィセン・ファーム。黄色みが強くてねっとりしたクリームである。 

 

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