コーンウォールの夏休み 2012年
３ セント・アグネス・ビーコン
B&Bの朝食。皿にはフライド・ブレッドが載っていた。要するに揚げ食パンで、ラードがじわっと浸み出ているからカロリーは相当高そうだ。自家製のマーマレードもあって、これがすこぶるつきの美味である。気に入ったのでひと瓶購入する。
昨日、飛行機の遅れで寄れなかったカレスティック・ファームに寄ってみる。以前はオリジナルのクロテッドクリームも作っていたはずだがやめてしまったらしい。今はアイスクリームをコーンウォール全土で手広く販売している。ショップにはクリームティーの文字も見えるが、クリームはロッダスだと書いてある。
スタッフの一人がドアの向こうに見学コーナーがあると教えてくれる。ファクトリーと書かれた扉を開け、階段を上ると、ガラスの向こうでアイスクリームを容器に充填している。床に流れ出ている黄色い液体はクロテッドクリームのようにも見える。ああ、もったいない。
せっかく来たので、アイスクリームだけでも食べる。小さなコーンで１．５ポンド２５０円は高いように思えたが、濃厚でおいしい。
再び車に乗って西へ３マイルほど走り、セント・アグネスの村に入る。村の海側にセント・アグネス・ビーコンという標高１９２メートルの丘があるので登ってみようと思う。
適当な道端に車を停めて坂を上っていく。比高は５０メートル程度だからすぐに尾根筋に出てしまう。ハリエニシダの黄色い花がわずかに咲くだけのムーア状の土地が広がっている。遠くには海岸線も見渡せ、いくつもの岬とその間にビーチが広がっているのがわかる。ところどころに煙突や館の廃墟が見えるのは錫鉱山の跡なのだという。
一方。足元を見ればうさぎのフンがたくさん散らばっている。しかし真昼間だからか、姿は見えない。
Ａ３０号線で一気に西へ走り、トレヴァスキス・ファームに行く。ここは大きなファーム・ショップで乳製品や野菜などいいものがそろっている。トレゴスナンのアールグレイやロスキリーの牛乳を買い込む。今が旬のスプラウティング・ブロッコリーも買う。ブロッコリーの穂先部分だけみたいなもので、濃い紫色をしている。
ショップのほかに広いレストランもあるので、ここでもクリームティーをする。クリームはロッダス、スコーンは今朝食べたフライド・ブレッドかサーターアンダギーのような食感だ。これがコーンウォール風なのだろうか。
トレヴァスキス・ファームを出てから、近くの大型スーパーでも買い出しをして、いよいよ本来の滞在地へ向かう。今回借りたコテージはブリテン島最南端のリザード岬に近いコヴェラックという村にある。
まずは国道Ｂ３３０２号に出て南下する。ヘルストンというこのあたりでは大きな町があり、ラウンドアバウトをいくつも通過する。ポリスが沢山出ていて、何かのイベントがあったらしい。（あとでニュースを見たら、ロンドンオリンピックの聖火リレーだった。）
続いて国道Ｂ３２９３号に入ると周囲はムーア状の開けた土地に変わる。その中にブリティッシュ・テレコムの巨大なパラボラアンテナが異様な姿を見せている。
Ｂ３２９３号は海に突き当たる手前で二股に分かれるので右の道を取る。道路番号はＢ３２９４号に変わった。総延長２．５キロメートルほどの短い国道で、急坂を下って海岸に出ればコヴェラックの村だ。
国道は海岸に沿ってそのまま村のメインストリート（というか唯一の道路）となる。今回のコテージには駐車場がなく路上に適当に停めろとのことだが、空きスペースがないので右にコテージを見ながら先へ進む。突き当りは岬になっていて、道路はここでおしまい。小さな駐車場があるので車を停めて歩いてコテージに入る。