建築と空間 イタリアの巻 1994年

19 ヴェネツィア(1)

 

 ヴェネツィアに着き、リアルト橋近くの広場から路地を入ったところのホテルに投宿した。1泊あたり10万リラ(6000円)で、比較的高いが、立地を考えたらむしろ格安だろう。部屋には路地に面した小さな窓があり、向こうには運河の水面がかすかに見える。明け方、目を覚ましたらボートでも通ったのか、波の音がちゃぷちゃぷと聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 まだ明けやらぬヴェネツィアの街、この街もまた霧に包まれていた。霧は陽が高くなると一時的に晴れることもあったが、すぐに視界は閉ざされてしまう。

 

 

 運河にかかる橋はどれも「太鼓橋」になっている。乳母車はもちろん、台車で荷物を配送するのも一苦労だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もちろんトラックの代わりに船が運河を行き交っている。船は清涼飲料水も運べば建築資材も運ぶ。クレーンを備えたごみ収集船もあればバキューム船まであるのだ。

 

 

 

 

 街の主要な交通機関はヴァポレットで、旧市街の外周と大運河、それに周辺の島々とを結ぶ路線がある。妙に経由地のヴァリエーションが多く系統がむやみやたらとあるので分かりにくい。運賃は3500リラ(210円)均一で、イタリアの他の街と比べるとかなり高い。

 

 

 

 運河を横断するだけならトラゲットというゴンドラの渡し船がある。こちらは1回500リラ(30円)と手ごろな値段である。ただし、立って乗るので慣れないと、転落しそうで、ちと怖い。

 

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