建築と空間 イタリア 1994年

20 ヴェネツィア(2)

 

 

 

 

 

 

 早起きしたからには、やはり市場を覗いてみようと思う。市場はリアルト橋を渡ってすぐの大運河沿いに立地している。干潟の中に位置するヴェネツィアだけあって海産物が豊富だ。

 

 

 

 

 

 

 その後は、サンマルコ広場に出てサンマルコ寺院、パラッツォ・ドゥカーレと見て回る。全くの観光コースだが、鐘楼にも登る。ただでさえ魅力的な運河沿いの光景が、霧に包まれて幻想的になっている。時折、霧が晴れて青空が顔をのぞかせることもある。

 

 

 

 

 

 サンマルコ寺院の内部は金ぴかのモザイクで装飾されている。ビザンチン様式というわけで、これまで見てきた大聖堂や教会とは全く異質な、濃密な空間である。

 

 

 

 寺院正面のテラスからもサンマルコ小広場と対岸のサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂を望むことができる。薄日が差して、水面がきらめいていたかと思うと、見る見るうちに霧が立ち込めて、対岸が全く見えなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サンマルコ広場に戻ると子どもたちが鳩と戯れている。長辺に面した列柱が見事である。きちんとそろっているかのようで、よく見るとアナログ的な揺らぎがある。

 

 

 

 パラッツォ・ドゥカーレにはティントレットの絵がたくさんあった。この人の絵は宗教画ではあるのだが、主役にはハイライトが当たり大変にわかりやすい。もっとも、南アジアあたりの映画広告のような印象も受けないではない。

 

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