建築と空間 イタリアの巻 1994年

11 フィレンツェ(2)

 

 

 サンロレンツォ聖堂から、路地の向こうにドゥオモを見ながら東へ歩く。T字路に面して元はサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会だったブルネッレスキのロトンダが建っている。ロトンダといっても円形ではなく下部が16角形、上部は8角形である。1430年代半ばの設計ということだが、修復されすぎていて安っぽく見える。内部にも入れない。

 

 ロトンダから路地を1区画行くと、サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場に出る。

四角い広場を囲んで正面にサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会が建ち、向かって右には捨て子養育院、左には州庁の建物が建っている。

 

 

 

 捨て子養育院はブルネッレスキの手によるもので15世紀前半に建てられている。アーチの間にはめ込まれた水色地のメダイヨンがかわいらしい。

 

 

 一方、州庁のメダイヨンは灰色地にドルマークのような文字が書かれた地味なものだ。

 

 

 

 サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会に入ってみる。玄関部分が中庭になっていて、なぜかガラス屋根がかかっている。奥に進むとミケロッツォのデザインした豪華な小礼拝堂が鎮座している。

 

 

 サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会と街区ひとつを隔てて、これも有名なサンマルコ修道院がある。階段を上がってゆくと、修道士たちの住まいの廊下にフラ・アンジェリコの受胎告知がひっそりと飾られている。見学者は他に誰もいない。

 

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