春のローマ 1998年

2 ヴィテルボ

 ローマ滞在中に一度くらい、地方都市へも足を延ばしたい。ホテルから至近距離にイタリア国鉄のサン・ピエトロ駅があるので、そこから1本で行けるヴィテルボに行ってみようと思う。と、列車に乗り込んだのも束の間、次のピネートという駅で降ろされてしまう。ここで代行バスに乗り換えだという。森の中に造られた、ま新しいバス乗り場以外、何もないところだ。1時間近くもバスに揺られて、チェザーノ・ディ・ローマからまた列車に乗る。ヴィテルボのポルタ・ロマーナ駅に着いた時には、お昼近くになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 駅のすぐ近くにあるロマーナ門を一歩くぐれば、たちまち中世の面影を残す旧市街に入りこむ。石造りの建物にはさまれた通りは薄暗く、冷え冷えとして健康に悪そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 やがて、視界が開け、明るい陽射しに照らされた教皇宮殿の前に出る。テラスからサンティッシマ・トリニタ教会の眺めが良い。

 

 

 

 

 

 繁華街になっているコルソ・イタリア通りの起点に当たるプレビシト広場に面した市庁舎の下をくぐると、噴水のある瀟洒なテラスがあって、サンティッシマ・トリニタ教会をさらに良い位置で望める。

 

 

 

 

この街はエトルリアの時代に起源があるそうで、エトルリア博物館なるものもあるので入ってみる。紀元前のことだからタイルモザイクは見事でも、他の出土品はこわれていて何だかよくわからない。教会や門の上に丸い球が載っているのがエトルリア風なのかもしれない。

 

 

 

旧市街の北端に位置するフィオレンティナ門を出て、ヴィテルボのもうひとつの駅、ポルタ・フィオレンティナ駅からローマに帰る。

 

<3 ジャニコロの丘 へ続く>

<うさ鉄ブログ トップページ へ戻る>