世界の高いところから -4ページ目

世界の高いところから

ペーパー一級建築士によるSkyscraperガイドと怪しい旅の話

毎年の目標。

渡航回数年10回
または
国外滞在日数年30泊


ここ10年ほどのこの目標はずっと変わらない。


要は12ヶ月のうち1ヶ月は国外で過ごしたということにするのが目標だ。

1回の旅は最低2泊3日、長くて一週間前後なので10回渡航すれば30泊になる勘定だ。
1回当たりの滞在日数を長く取れれば回数は問わないのだが、サラリーマンである以上は回数で稼ぐしかない
行動さえ起こせば、何もしないよりは成果は得られるだろうという楽観的な考え方(笑)
回数で稼ぐというのは言うまでもなくコストパフォーマンスは悪いが、長期滞在できるタイミングを待って行動できないよりはいいと思ってる。
もてあませる時間なんてそんなにないのだから。

渡航目的のひとつは「終の棲家」を探すこと。
ネットで調べれば予備知識はなんでもゲットできるが、自分の目で見て肌で感じたことを信じたいから、やはり各地に直接出向きたい。
自分の背負ってるものがあまりにも軽い(笑)から老後を充実させるにはいろいろタイヘンなのだ。
ただ、頻繁に出かけることで国外でも生活できるという勘と経験と自信を身に付けるということには役立っている。

もちろん、国外である必要はないが、僕は日本の未来は残念ながらあまり明るいとは思えない。
選択肢は多い方がいい。

渡航回数年10回
または
国外滞在日数年30泊

達成できた年はこの20年ほどの間で2回しかないけど(笑)

世界の高いところから

上海は19世紀後半から戦前まで、欧米列強の租界が中心街に形成され1920年~30年に黄金時代をむかえ「魔都」の称号を与えられていた。

中でも米英共同租界は経済の中心でバンド(外灘)に代表されるウォール街によく似た金融街を形成していた。


一方で、フランス租界は他の租界とは明らかに異なる西洋風の高級住宅街となっていた。

当時、上海市内を走っていた路面電車がフランス租界にさしかかると、風景がガラッと変わりすぐにフランス租界に入ったことが分かるほどだったという。

フランス租界はプラタナスの街路樹、下水道の整備、教育機関の充実、芸術活動など、生活向上を主眼に置いた街づくりがされていた。

その背景にはフランスならではのアール・ド・ヴィーヴルの精神があったといえる。


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アール・ド・ヴィーヴル(Art de vivre)

日本語には訳しにくい言葉でそのまま用いられることも多いが、直訳すると「芸術的な暮らし」という意味なのだが、僕はにむらじゅんこ氏が用いる「生活美学」が一番しっくりくる気がする。

フランス人は「生き方」という言葉の代わりにこの言葉を使うそうだ。


スーパーでいくらでも売ってるジャムを手間ひまかけて自分で作ったり、

Eメールで済むことを手紙にしたためたり、

植物を丹念に自分の庭で栽培したり、

廊下やトイレなど目立たない壁にお気に入りの絵を掛けたり、

他の皿でも食べられるのに自分のお気に入りの皿で食べたり...


こんな感じにどれだけ自分の人生の一瞬一瞬にこだわりを持つかということなのだ。

周囲の人々と同じように生きる代わりに、自分のスタイルを突き詰め頑なに自分の好きなことを追求していく、しかも「美」「粋」を常に意識しながら。

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僕が最近になって知ったのは、アールドヴィーヴルには田舎の暮らし、
つまり「自然という本物」に近い暮らしが重要な位置を占めているということ。

そして本物とは、自分とひたむきに向かい合って生きる姿にあるということだ。


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今でも、上海のフランス租界は当時の雰囲気を色濃く残しており、散策するといつも新しい発見がある。

僕は上海に行くたびに必ずこのエリアに足が向いてしまう。

瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台に、内外著名アーチストから新進の若手アーチストに至るまで幅広い作品が展示される瀬戸内国際芸術祭。
前回の2010年は7月から10月までの105日間の開催で、僕は敬老の日絡みの3連休に行ったのでとにかく混んでいた。
なにしろ、宇部港から直島に行くフェリーは客が多すぎて積み残し多数で出航する有様だったのだから。
僕は直島にはその前に行っていたので、激しい混雑が予想される直島を避けて他の島だけに絞って廻った。

飛行機で岡山から入り1泊2日の行程で初日は宇部港から船で豊島、小豆島をまわり、高松で宿泊。
翌日、男木島、女木島をまわって宇部港から岡山に戻る強行スケジュールだった。
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瀬戸内芸術祭の作品の多くはいわゆる「インスタレーション」だ。
インスタレーションとは、「サイトスぺシフィック」なもので要は、「その場所だからそうなった」という特殊なアートを指す。
のどかな漁村の空き家の内部を改造して、様々なメッセージ性のある作品が点在する。
瀬戸内の島々に残る伝統文化や美しい自然景観をアートで表現し世界に発信するというコンセプトだ。
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ただ...実際は、芸術祭自体は「スタンプラリー」と化している気もしないでもなかった(笑)
作品には島ごとにすべて番号がふられており、配られたスタンプカードにスタンプを押すようになっていた。
ボランティアのスタッフも「はい、68番の作品はこちらですよー!」という具合で、作品をのんびり見るというよりスタンプブックを埋める作業になっている来場者も多かった。
暑い中、人気の作品はどこも長蛇の列でとても全部見るどころではなく、特に見たいものだけに絞って廻らなければならなかった。
僕はふと、その前の月の夏休みに行った上海万博を思い起こしてしまった。
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しかし、なにはともあれこの瀬戸内芸術祭は大成功で、それを踏襲したトリエンナーレがあっちこっちで開催されるようになった。

今年、2013年の瀬戸内芸術祭は春、夏、秋の分散開催される。
しかも、会場となる島もさらに増えるようだ。今度は暑くない時期の平日に行きたいものだ。