ここ10年ほどのこの目標はずっと変わらない。
要は12ヶ月のうち1ヶ月は国外で過ごしたということにするのが目標だ。
渡航回数年10回
ここ10年ほどのこの目標はずっと変わらない。
要は12ヶ月のうち1ヶ月は国外で過ごしたということにするのが目標だ。
上海は19世紀後半から戦前まで、欧米列強の租界が中心街に形成され1920年~30年に黄金時代をむかえ「魔都」の称号を与えられていた。
中でも米英共同租界は経済の中心でバンド(外灘)に代表されるウォール街によく似た金融街を形成していた。
一方で、フランス租界は他の租界とは明らかに異なる西洋風の高級住宅街となっていた。
当時、上海市内を走っていた路面電車がフランス租界にさしかかると、風景がガラッと変わりすぐにフランス租界に入ったことが分かるほどだったという。
フランス租界はプラタナスの街路樹、下水道の整備、教育機関の充実、芸術活動など、生活向上を主眼に置いた街づくりがされていた。
その背景にはフランスならではのアール・ド・ヴィーヴルの精神があったといえる。
アール・ド・ヴィーヴル(Art de vivre)
日本語には訳しにくい言葉でそのまま用いられることも多いが、直訳すると「芸術的な暮らし」という意味なのだが、僕はにむらじゅんこ氏が用いる「生活美学」が一番しっくりくる気がする。
フランス人は「生き方」という言葉の代わりにこの言葉を使うそうだ。
スーパーでいくらでも売ってるジャムを手間ひまかけて自分で作ったり、
Eメールで済むことを手紙にしたためたり、
植物を丹念に自分の庭で栽培したり、
廊下やトイレなど目立たない壁にお気に入りの絵を掛けたり、
他の皿でも食べられるのに自分のお気に入りの皿で食べたり...
こんな感じにどれだけ自分の人生の一瞬一瞬にこだわりを持つかということなのだ。
周囲の人々と同じように生きる代わりに、自分のスタイルを突き詰め頑なに自分の好きなことを追求していく、しかも「美」や「粋」を常に意識しながら。
僕が最近になって知ったのは、アールドヴィーヴルには田舎の暮らし、
つまり「自然という本物」に近い暮らしが重要な位置を占めているということ。
そして本物とは、自分とひたむきに向かい合って生きる姿にあるということだ。
今でも、上海のフランス租界は当時の雰囲気を色濃く残しており、散策するといつも新しい発見がある。
僕は上海に行くたびに必ずこのエリアに足が向いてしまう。