2022/5/24 マウイ島② | 福山機長の夜間飛行記録

福山機長の夜間飛行記録

月曜日から金曜日までの毎晩放送されるラジオ番組"JET STREAM"のうち、福山雅治機長のフライト部分を文字に書き起こして写真を貼り付けただけの自己満足ブログです。(※特定の個人・団体とは一切関係ございません。)

「新しい空の旅へ」


今週は、『JET STREAM in HAWAII』。


様々な人や場所、伝統に息づく物語を、お送りします。


今夜は、マウイ島への旅。


ハワイは山がいい、と言ったら、意外だろうか?


しかし、本当なのだ。


例えば、カウアイ島なら、コケエ州立公園。


映画『ジュラシック・パーク』の撮影地でもあった、その巨大な緑の渓谷には、熱帯雨林の森が広がり、無数の滝が流れ落ちる。


数日かけてトレイルを歩けば、山の頂から、人が誰もいない美しい浜辺へと至る。


ハワイ島なら、噴煙の上がる世界遺産、ハワイ火山国立公園。


黒い溶岩大地の上を歩いて、海へと流れ落ちる赤い溶岩流を見に行く。


ハワイは、山がいい。


マウイ島なら、アップカントリーと呼ばれる山あいに滞在し、早朝まだ暗いうちに車を走らせ、マウイ最高峰ハレアカラの山頂へ。


雪が降る事もあるこの山の上で見るご来光は、荘厳で美しい。


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海辺にリゾートホテルが数多く立ち並ぶマウイ島だが、アップカントリーと呼ばれる山あいにも、素敵な宿がいくつもある。


朝食が素晴らしいベッド&ブレックファーストや、暖炉に火が灯る小さな山岳リゾートホテルだ。


常夏のハワイだが、山の上では、朝夕は冷え込む。


山の森の中で、小さな宿を営むあるオーナーはこう語る。


「ハワイで上着を着て、夜暖炉に火をつけて、のんびりと過ごす。


私は、これこそ最高の贅沢。


極上のハワイの過ごし方、だと思うね」


標高3000メートルを超えるハレアカラ。


その中腹に2つ、可愛い高原の町がある。


1つが、マカワオ。


もう一つが、クラ。


マカワオは、ハレアカラ山頂へと上がっていく道の途中にある、小さな町。


[マカワオ]


海辺はとても暑いが、マカワオへやってくると空気は涼しく、夕方になれば、薄手のフリースを羽織らずにはいられない。


小さな町には、端から端まで歩いて2分もかからないメインストリートがあり、その道の両側にオーガニックの食料品店、新鮮なデリ、雑貨屋などが並ぶ。


どれも小さな商店だが、目利きが選んだ品が揃う、良質な店ばかりだ。


マカワオは田舎町だが、シュタイナー教育の学校やアートスクールがあり、外国人も多く暮らしている。


芸術家、音楽家のコミュニティーもある。


そんなマカワオから、もう少し山を上がったところに、クラという町がある。


クラは、クラ野菜と呼ばれる高級ブランドになるほど、オーガニック野菜で有名な場所だ。


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マウイ最高峰ハレアカラの中腹にあるマカワオの事を、マウイの人たちは"パニオロ・タウン"と呼ぶ。


"パニオロ"とは、ハワイアン・カウボーイの事だ。


ハワイには各地に牧場があり、カウボーイ(パニオロ)が沢山いる。


マカワオの街の外には牧場が広がり、牛や羊が放牧されている。


街のブティックや雑貨屋に入れば、カウボーイやカウガールをモチーフにしたデザインの物が、いくつもある。


[カウボーイグッズ]


カウボーイブーツ、カウボーイハットも沢山売っている。


マカワオから10分ほど山を上がると、牧場の風景は無くなり、代わりに辺りには小さな農園がいくつも現れる。


クラは、オーガニック野菜で有名な町だ。


[クラ]


通称クラ野菜は、今ではアメリカの高級ブランド野菜でもある。


ロサンゼルスやサンフランシスコ、ニューヨークからも注文が入るという。


例えば、ニューヨークの人気レストランの今日のメニューに、こんな風に書かれている事もあるだろう。


「マウイ島のアップカントリー、クラから直送のオーガニックケールのサラダ」


マウイは、山がいい。


マカワオ、あるいはクラの小さな宿に泊まって、夜は上着を羽織って、小さなその町の小さなレストランへ行き、採れたてのクラのオーガニック野菜と、マカワオのグラスフェッドビーフで作られたハンバーガーに、舌鼓を打つ。


3度目、4度目のハワイなら、そんな過ごし方もいい。


【画像出典】