今や世界中の人々が憧れるワイキキのビーチだが、"ワイキキ"とはハワイの言葉で"水が湧く所"。
ハワイ王朝の時代は、広大な湿地帯。
泥水が溜まって、蚊が発生する不衛生な場所だったという。
そのワイキキビーチが生まれ変わったのは、今からちょうど100年程前。
オアフ島の北の海岸ノースショアから、大量の砂を馬車で運んできてからだ。
今では想像もつかないかつてのワイキキだが、ハワイの王族達にとって、聖なる力(マナ)が宿る地。
病を癒す場所として、カフナと呼ばれる神官達が住んでいた。
ワイキキを代表するホテル、アウトリガー・リーフ・ワイキキ・ビーチ・リゾート。
そのホテルのビーチに、サーフボードの形をした看板が立っている。
その看板に、ハワイの言葉で「カヴェヘヴェヘ(病気を取り去る)」という文字が記されている。
このビーチの前が、聖なるマナの力によって病を治す癒しの海。
ハワイの王族達は神官の助けを借りて海に入り、病の回復を願って神々に祈りを捧げたという。
現在この癒しの海は、海の底が灰色に見える事から、ロコ達の間では"グレイズ・ビーチ"と呼ばれている。
灰色に見える秘密は、海の底から真水が湧き出ているからだ。
海水と真水が混じり合うため、この辺りでは珊瑚や海藻は育たない。
真水が湧いている所だけは、とても冷たくてクリア。
確かに、聖なるマナの力が宿っている気がする。
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