世の中に一見価値がないことでも、時間が経つ
に従って価値が証明されることがある。
キャリア形成において「助走的な経験」が将来
の本格的な自身のキャリアを固めるのに役立っ
たということはよくあることだ。
私ごとで恐縮だが、キャリアカウンセラーにな
るということは偶然の機会によってもたらされ
、ある時点から天職と思うに至ったことは、以
前何かに書いたと思う。
その経緯を繰り返すことは避けるが、キャリア
カウンセラーになりたての時は無我夢中で、見
よう見まねで何でもこなした。
例えば、ある時に再就職支援のクライアントの
受け入れのセミナーの講師の手配がつかずに、
その時のオフィスの人間で対応するということ
があった。
それまで人前で話すことは幾度となくやってき
て、自信もあったが何せ就職活動のセミナーの
講師は全くの初めての経験であった。
その時は「職務経歴書」の書き方を担当したが
、その中で自分の職務の棚卸をモジッて黒板に
板書し、その中から次の応募先で求められるこ
とを抽出するということを、その板書の内容を
使いながら説明した。
直感的に、その時点でとっさに行ったことで、
自分の経験から導き出した手法と、その説明だ
ったが、その時のクライアントには良く理解さ
れた。
こうしたことが積み重なって、その5、6年後
に職業訓練校で多くの生徒を対象にセミナーを
年間何十回と行うことの基礎になったし、セミ
ナー講師以外のキャリアカウンセラーの基礎が
、この時の「助走的な経験」で確立されていっ
たことは間違いない。