キャリア・カウンセラーという仕事にはバランス感覚が
欠かせないと考える。
キャリア・コンサルタントという言葉があるように方向
性を示唆する必要性がある反面、カウンセラーという受
容、共感が欠かせないサポーターの部分も重要。
私は後者の重要性をより感じながら仕事をしている。
コンサルタントの職務遂行には、相談者の能力把握やそ
の分析が欠かせない。これは若年者の支援の時に相手の
経歴や能力への分析やその内容把握が容易(当たり前だ
が中高年に比し内容が乏しいことが多い)で、その上で
の進路設定もどちらかと言えば単純なことに慣れると、
中高年の複雑な経歴や能力の分析、把握が難しくなって
いくことと相関する。
つまり、せんじ詰めれば、簡単な日常は、より高度な業
務の遂行にとっては害悪になるということであろう。
こういう状況を食い止めるのは、個人の良識ある判断で
の自己啓発しかないのではなかろうか。
現状に甘んじて、向上心を失ったものを「ゆでガエル」
とか「野がも」とかいう。
また、相手が若年(つまり自分よりはるかに年下)だか
らと言って、上から目線で指導、教唆に慣れた存在には
何をか言わんやと感ずる。
カウンセラーという受容、共感が欠かせないサポーター
の部分を失った存在は、今後の厳しい競争状況では生き
残るのは困難だと思われる。
これらの今後に必要な能力の維持、向上に不可欠なのは
自己研鑽であるが、同時に必要なことが「仲間」との研
鑽だと思われる。
間違っても孤立した「ゆでガエル」とか「野がも」にな
らないことだ。