高校生の進路相談を過去に1年間経験した。
その時に問題に感じたことを少し書いてみる。
まず、各省庁間の相互連携の無い施策が問題であろう。
各高校には文部科学省の進路相談員、経済産業省のカ
ウンセラー、厚生労働省のジョブサポーターがバラバ
ラに出向き食い違いの多い(もっといえば質も様々な
人材が混在し)キャリアカウンセリングらしきものを
行っているのが現状ではなかろうか。
その他にも、民間の人材会社などがさまざまなシステ
ムのノウハウを持ち込んでいて前記の各省庁間の相互
連携の無い施策に加えて、それぞれに質の違うカウン
セリングや就活指導が行われている。
そして、その選択が学校の責任にゆだねられているのが
現実であろう。
本来必要な、全生徒への統一性のあるキャリア教育が
充分になされているとは考えずらい。
キャリア教育が学校の取組みへの意識により変化する
のでは、生徒が不幸ではないかと考える。
高校生の就職率が改善されてきたのは、ここ数年の一
貫した状況であるが、問題はその内容ではないだろう
か。
私の経験では、就職希望の生徒で、自身が希望する職
種や業種に曲がりなりにも就職出来た生徒は半分にも
満たなかったように思われる。
そして、前記の如き、別個な機関の別個のカウンセラ
ーによる相談や指導の差が生徒に良い影響があるとは
思いずらい。
全生徒への統一性のあるキャリア教育がシステム化さ
れ現状の雑多なノウハウが雑多に伝授される状況が改
善されることを望むばかりだ。