おもえば。
本人の意思も本能も効かない、もはや誰の手にも負えない脳を備えた人間を
よくもここまで “まっとうに” 生かしてきたとおもう
逃げ出したくても一瞬たりとて許されず
諦めたくても手放すことは不可能で
血を流すのも浴びるのも
苦しめるのも苦しむのも
ひとりで。
わたししかいなかった。そして、いなければならなかった。
つくづくとおもう。
よくここまでやってきた。
まがりなりにも生かし、ときに笑わせもし、夢を見させ、“まっとうな” 人間として。
もういい。
もういいとおもう。
もういいから、
おやすみ。
ゆっくり、おやすみ。