最近見かけたドラマの中で気になった事を少々。
今回は、「2度目のファースト・ラブ ( 20세기 소년소녀 [20世紀少年少女] )」( 2017 MBC )
を観ていて気になった車と、タイトルにした「お元気ですかー」に関するあれこれを。
いきなり余談ですが、このドラマの原題は「20世紀少年少女」。
浦沢直樹のマンガ、「本格科学冒険漫画 20世紀少年」と、その映画のタイトルに似ているので、イメージの異なる邦題を付けたのでしょうか。
実は同じドラマだと思わず、ハン・イェスルが立て続けに出演したと思っていました。
(そんな勘違いするのはこぶ~だけ… )
くだらない話はともかく、
ヒロインが芸能人の設定なので、「シボレー( CHEVROLET )」ベースのカスタムバンで、家と仕事場を行き来します。
ドラマ内の芸能人ご用達のカスタムバンですが、実際のところはどうなのでしょう?
おそらく悪目立ちしないよう、もっと地味な車で移動するような気がします。
ヒロイン、サ・ジンジン(ハン・イェスル)がプライベートで乗るのが、「ボルボ・XC60 R-Design ( VOLVO XC60 R-Design )」。
他には、フラッグシップセダンの「 S90 」、大型 SUV の「 XC90 」が登場します。
ドラマ内でボルボを見かける事が、本当に多くなりました。
( 08/07 の記事、KBS2 週末ドラマの歴代出演車を、宜しければ ご参照ください。 )
あくまでも個人的な見解ですが、最近登場が減っているように見える日本車の枠を、ボルボが埋めているような感じがします。
さてと、ヒロインが駐車をします。
ちなみに手前のシルバーの車が、主人公コン・ジウォン(キム・ジソク)の「 S90 」。
駐車の際には、自動車庫入れシステムが欠かせません。
でも、上の画像と進行方向が合っていないような気が…
それはともかく、こうした機能のアピールも、スポンサーの特権です。
場面が変わり、1999 から 2000 年の回想シーン。
このスクールバスで通学する仲間たちが、車に因んで「ボンゴ派( 봉고파 )」と名乗りますが、これはどう見ても、「三菱・デリカ ( MITSUBISHI Delica 3代目)」では?
実はこの1ボックスカー、三菱・デリカをベースとするライセンス生産車で、1986 年に販売を開始した、「ヒュンダイ・グレース ( HYUNDAI Grace )」。
車の名前はグレースなのに、何故「ボンゴ派」かというと。
「CARISYOU」HP、「思い出のオールドカー、1981 キア・ボンゴ」から画像を借りました(韓国語)。
https://www.carisyou.com/magazine/FOCUS/72414
’86 年にライバルとなるヒュンダイ・グレースが登場するまで、市場をほぼ独占。
元の三菱・デリカが現地化すると、独自の特徴が加わります。
より大人数が乗れるよう、運転席直後に後ろ向きの2列目を配置した 4 列シート仕様。
標準ボディで 11 から 12 名の乗車を可能としています。
そうした規定を受け、4 列窓のストレッチボディ仕様のグレースは、
運転席+後部 4 列シートの計 5 列配置で、何と最大 15 名が乗車出来ます。
中古車販売サイト「貨物車博士」HPから画像を借りました(韓国語)
https://usedcar1004.tistory.com/250
安全基準の改正などで定員 15 名車が大型化したため、こうした小型の 15 名車は中古車市場で今も一定の需要があるようです。
映っているポスターは、これの筈。
字幕は車内のラジオから流れるナレーションです。
ん?何故に 1999 年。
これは前年の日本文化開放政策 *1 を受け、韓国で「ラブレター」の上映が許可された年の事。
そして「ラブレター( 러브 레터 )」が劇場で一般公開されると大ヒットを記録。
20 年を経た今も、日本の実写映画中最高の観客動員数とされています。
ドラマ内ではこの年に初恋の人と初めて観た映画でした。
また、2004 年には日本の実写映画では初めて韓国の地上波( SBS )で放送。
更に、2013 年 2016 年 2017 年と劇場で再公開されています。
ドラマ内で言及する再上映は、2017 年の再公開を見据えています。
話変わって、アニメを含めた日本映画の韓国での興行成績1位は「君の名は。」
以下「ハウルの動く城」「千と千尋の神隠し」と続き、「崖の上のポニョ」と「ラブレター」が競い合うようです。
ところで歴代 1 位、「君の名は。」の新海誠の最新作、「天気の子」が韓国でも近々公開予定。
昨今の情勢からすると、一体どのような事態が展開するのでしょうか。
*1 日本文化開放政策;
1998 年に小渕恵三内閣総理大臣と金大中大統領が交わした、「日韓共同宣言」に基づく。
日韓共同宣言の副題が「21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」。
20 年を経た 21 世紀の現況を、未来を見据え宣言を交わした両者は今、草葉の陰からどう見ているのだろう?
まあまあまあ。
「お げ ん き ですかー、
わ た し は げ ん き です」
山に消えた最愛のひとを想う、こころから絞り出すようやくの叫び。
とはいえ「冬、雪、初恋、亡き人を想う… 」、今では恋愛話に不可欠なイメージを決定付けたとされ、映画が主に撮影された、北海道への観光ブームを巻き起こしたと言われています。
もし、北海道の景色の中で
「お げ ん き で す かー」
と、いきなり叫ぶ観光客がいてもびっくりせず、「あぁ、あれか」と温かく見守ってください。
北海道に行ったらやってみたい事リストの常連なのです。
しかし、このシーンが実際に撮影されたのは長野県。奥に見える山並は八ヶ岳。
本当のこの景色を見たい方は北海道ではなく、
野辺山高原に行きましょう (^^ゞ
再び冬が巡って来た時、「お元気ですかー」を叫ぶ観光客は、どうなっているのでしょうか。
うーん、どうしても辛辣さが少々混じってしまうようです(笑)