翼端投げフリー・フライト・グライダーの秘密。 | 風・雪・海・空。ハインケルーパーの独り言

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その軽やかさと勢い、風の如く。

その重きこと・染み渡ること、雪の如く。

その思慮深きこと、海の如く。

その志高きこと、空の如し。



そんなブログを目指して行きたい。

先日の記事で「遠隔操作も出来ないフリー・フライト機で、翼端投げが何故うまく行えるのか?」という疑問を頂きまして、なるほど普段メジャーでない分野だけに、ここで簡単に御説明したくなりました。


まず、ごく普通の航空機との構造の違いを御覧下さい。

翼の具合を見て頂ければ判ります。


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こちらは機体前から見た、ごく一般的な飛行機の翼の配列。



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こちらは翼端投げフリー・フライト手投げグライダー。

なんか変ですよね?

わざと変形させて撮ったわけではありませんよ。



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再び、普通の飛行機の尾翼。



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翼端投げフリー・フライト手投げグライダーの尾翼。

本来は真上に付いているはずの垂直尾翼が、真下にありますね。

水平?尾翼にも変な角度が付いています。




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今度は機体真後ろから見た、普通の飛行機。

主翼と尾翼のバランスもキチンとしています。



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同じく真後ろから見た翼端投げフリー・フライト手投げグライダー。

何だか、普通の飛行機では水平尾翼にあたる翼が後から見て左に傾いています。さらに、V字の角度も付いています。


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また、さらに機体によっては、垂直尾翼をこのように右側に曲げてあるものも。


・・・・・・何故、このような尾翼をしているのでしょう?


それは、右利きの人が機体の翼端を掴んで投げた時に、勢いで左側へ機体が突っ込んでしまうのを防ぐ為なのです。

翼端投げをする時は、左方向に大きな力が機体に加わります。

その時、普通の飛行機の翼の配列では、上空へ向かわずに左側の地面に突っ込んで行ってしまいます。

それを防ぐ為に、わざと半ば強引に「右側へ曲がる」仕組みを機体に備えてやる必要があるのです。


それだけでなく、フリー・フライト機は操作しなくても飛行を続けながら上昇気流を捕らえなくてはなりません。

そこで・・・・・


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このように、上空へ投げ上げた後は主翼を右に傾けて、そのまま右旋回を続けられるように尾翼が設定されています。


なお、垂直尾翼が真下にある理由は、翼端投げを行う時に通常のような真上にある場合より効き目が良く、機体の方向制御がうまくいくからです。

(ラジコンの翼端投げグライダーでも、垂直尾翼は大きく真下まで伸びています)



・・・・・・・お解りになれましたでしょうか?

ちょっと今回もマニアックな内容でしたが、この「不格好な尾翼」の原理・Yテールがフリー・フライト模型飛行機界で考え出されたのはごく最近です。

しかも、誰が考案したか?不明なのです。

ただ、この方法が発見されて、手投げグライダーには大革命が起きました。

手投げグライダー=ハンド・ランチ・グライダーの競技では、それまでは大抵の選手が肩を痛めることが多かったものでした。

野球のボールのように投げていた従来のグライダーでは、高度を獲得し有利にサーマル上昇気流を捕らえるのに必要なのは「強靱な肩」でした。

それが、翼端投げが生まれたことによりその必要も無くなり、さらにそれまでの投げ方より高く機体を上げることが出来、また大きな機体を上げられるようになり、強い揚力(浮く力)を安定して得られるようになりました。

それにより現在の手投げグライダーに於いて翼端投げは、ほぼ主流となっています。


ただ、中には小型機を中心に従来の投げ方・ジャベリン投げ(野球投げ)を愛好する皆さんもおられ、フライヤーの好みや技量により選択する時代となっているのです。