梅雨も明けた7月の土曜日。
僕は新宿中央公園のフリーマーケットに来ていた。
フリマに足を運ぶ事はほとんど無かったが、2丁目3番地の店長からも、
フリマは掘り出し物が時々出るから、時間があれば見に行った方がいいと
言われていたので、それ以降は
時々新宿中央公園や明治公園には顔を出していた。
フリーマーケットに売っている物は様々だが、
通常は誰もが必要としない不要品が多い。
しかし、出店料も高く、人が大勢集まる大きな会場になる程、
不要品が少なくなり、ちょっといい物が並べられている。
マニアやコレクター向けに商品を展開する出店者もいるくらいだ。
しかし、売価はフリマ価格ではなく、相場価格より安い程度。
場合によっては、その相場価格をも上回る値札が着いている事もある。
フリマの楽しみは、ガラクタ箱の中からちょっと良い物を見つける事にある。
チョロQなどは、よく傷だらけのミニカーの中に埋もれている事がよくあった。
ぶらぶらと歩きながら、並べられた物を見ていると、
こまごまとした物が入っている段ボール箱をみつけた。
箱の大きさの割にはさほど品物は入っていなかったので、
その箱の中にチョロQが1つ入っていた事にはすぐに気がついた。
黄色のソアラ2800GTだ。
しかし、ルーフに乗っているはずのゴーカートが無い。
初期のチョロQにはほとんど付いているPP製付属パーツの中でも、
ソアラに付くゴーカートは大きい部類に入る。これがないのは致命的だ。
しかしこの黄色のソアラはまだ未入手だったので、
100円くらいだとは思ったが、一応いくらなのか、出店者に聞いてみると
「2000円」だという。
まさかフリマで部品が欠落したチョロQに2000円を付けているとは
思いもよらなかったので、少々驚いたのだが、その出店者は
「チョロQはこれで終わりだけど、先週までは結構売れたんだよ。
これも結構古いもんだよね」
と、言って来た。
このパーツ無しソアラは売れ残りで、20個近くはあったそうだ。
残念ながら、他の誰かに買われてしまったらしい。
最後の1つとはいえ、パーツがあれば2000円でも構わないが、
パーツがなければ意味がない。
しかしシールの状態も良く、傷も無いので非常に惜しい。
そこで1つ考えた。パーツ無しを理由に値切り交渉をして、
少しでも安くなるのなら買っておき、完全品がみつかるまでの間は、
とりあえずこれで我慢しておく。
早速値切り交渉開始。
最初のうちは、古い貴重な物だから値引きは出来ないの一点張りだったが、
こちらも負けずに、古い物でもパーツが足り無いんじゃ価値は無いと
切り返していたら、「じゃあいくらなら買う?」と逆に聞いてきた。
そう言われると、あんまり値切り倒すのも申し訳ないので、
「1000円でどう?欠品あるのに1000円で買う人いないよ」 というと、
あっさりOKしてくれた。
たぶん相場価格など判らないだろうから、本当はどうでも良かったのだろう。
3分少々の時間はかかったが、何とか黄色のソアラを手に入れた。
フリマで古いチョロQを見つけるのは年々難しくなってきた。

