友人が住む都内K区。
ここは古い集合住宅が建ち並ぶ大きな住宅地だ。
付近には、昔ながらのパン屋や牛乳屋もあり、
70年代の面影を残した懐かしさが染み出ている場所だった。
ある日、久しく会っていないその友人宅を訪ね、僕はその場所へ来ていた。
この辺りは、以前車では良く来ていたので、
道路の土地勘はあるのだが、電車で来たのは初めてだったので、
細い道はわからない。しかし歩くとまわりが良く見えてくるものだ。
駅改札を抜けて外へ出ると、大きな交差点の角へ出た。
交差点付近は賑やかな商店街だが、そこから100メートルも離れると住宅地、
更に数百メートル進めば大きな会社や工場ばかりが見えてくる。
知人の家はその中間辺りにあった。
天気もいいし、ゆっくり歩いて行こうと思い、
周囲の古い景色を楽しみながら歩いていると、細い路地裏に、
子供の自転車がたくさん並び、その子供達がワイワイと遊んでいる店が見えた。
近づいて見ると、そこは昔ながらの駄菓子屋だった。
店の外には、50円で出来る縦長のゲーム筐体が数台並び、
外に置いてある段ボール箱の中には駄菓子やガリガリ君の袋が捨てられている。
懐かしい…こんな店構えを見たのは何年ぶりだろうか。
店内では子供達数人が駄菓子を買いながら、好き勝手な事を大声で喋っていた。
その子供達を掻き分け、僕は店内に入っていた。
台紙に貼り付いたミニプラモデルや、天田のカードコレクション、
銀玉鉄砲やソフトビニール人形など、商品棚には
僕らが小中学生の頃に売られていたであろう物が今も売れずに残っていた。
「ジェッターマルス」 「鋼鉄ジーグ」 「オタスケマン」
久しぶりに見る名前ばかりだ。 今の子供達は知る訳もない。
アイスクリームが入っている冷蔵庫の上に、
こまごまとした物が入っている容器がいくつか置いてある。
駄菓子屋でよく見かける酢イカや煎餅が入っているPP製ブロー容器だ。
その容器の中に入っている物を良く見ると、細かい物がたくさん入っている中に、
チョロQらしき物がいくつか見えた。
早速蓋を開けて中を見てみると、上層部の現行チョロQがまず見えた。
それらを取り除き、更に底の方まで見てみると・・・・・・
下には何と「はこのりチョロQ」が入っていた。
一つ一つ容器から取り出し、アイス用冷凍庫のガラス蓋の上に並べてみた。
ダブりも含め全部で11台。
十数年間この容器の中に閉じ込められていたお陰か、
ホコリも被らず無傷の新品状態だった。
続く。
