12月も最終週ですね。今年もいろいろありましたが、いつも応援してくださるみなさまのおかげで、無事に乗り切ることができそうです。残り3日間、よいかたちで締めくくり、2025年に繋げていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。
なお、年末年始については、例年通り、年末は12月31日(火)まで営業、明けて1月1日(水)はお休み、2日(木)は掃除に来るのでそのまま臨時営業、3日(金)はお休み、4日(土)から通常営業の予定です。
年内最後の記事は、原点に戻って、店名の由来でもあるジャズ・トランぺッター、CHET BAKER(チェット・ベイカー)のアルバム紹介にします。男前ジャケット(笑)としても有名な1枚で、僕が初めて買ったCHETのアルバムがこれでした。
CHET / CHET BAKER / RIVERSIDE
CHET BAKERは、繊細なトランペットだけでなく、中性的とも言われるヴォーカルにも人気がありますが、本作は唄なしのインストのみで吹き込まれたバラード曲集です。1958年、ジャズの名門レーベルとして知られるriversideレーベルの共同オーナーの1人、BILL GRAUER氏は、自身のレーベルからCHETのアルバムをリリースしたくなり、CHETがキャリア初期から所属していたpacific jazzレーベルのオーナーのRICHARD BOCK氏と交渉したところ、意外とあっさりOKが出て、アルバム4枚分のレコーディング契約を取ることができました(実際には1枚多く、5枚のアルバムが制作されました)。そして、riversideレーベルからの第1弾として、GRAUER氏がプロデュースしたCHETのヴォーカル・アルバム「IT COULD HAPPEN TO YOU」が吹き込まれ、続く第2弾として、もう1人の共同オーナー、ORRIN KEEPNEWS氏がプロデュースした唄なしのハードバップ・アルバム「IN NEW YORK」が吹き込まれましたが、それほど高い評価は得られなかったようです。そこで、渾身の第3弾として、CHETの繊細なトランペットを最大限に活かすため、KEEPNEWS氏がインストのバラード・アルバムを企画しました。そういった経緯で吹き込まれたのが本作「CHET」で、参加メンバーも豪華な顔ぶれとなっています。書き出してみると、CHET BAKER(トランペット)、PEPPER ADAMS(バリトン・サックス)、HERBIE MANN(フルート)、KENNY BURRELL(ギター)、BILL EVANS(ピアノ)、PAUL CHAMBERS(ベース)、PHILLY JOE JONES(ドラムス、曲によってはCONNIE KAYに替わる)という凄腕揃いで、最も目を惹くのが当時売り出し中だったピアノの名手、BILL EVANSの参加でしょう。僕も大好きなジャズの2大巨頭、CHET BAKERとBILL EVANSは、1929年生まれの同い年で、美しく繊細で病んだ音を奏でるところ、男前なところ(伊達男系、インテリ系の違いはありますが)、ひどいジャンキーでクズ野郎(笑)なところなど、相通ずる点も多いのですが、この2人が共演したアルバムはわずか3枚しかないので、貴重な顔合わせでもあるわけです。本作におけるEVANSはバックに徹して控えめな演奏をしているのであまり目立ちませんが、このアルバムの繊細で美しいムードを生み出すのに大きく貢献しています。曲目を見ると、冒頭の「ALONE TOGETHER」から、「HOW HIGH THE MOON」、「IT NEVER ENTERED MY MIND」といったスタンダード曲がずらりと並んでいます。個人的にはアルバム後半、LPでいうところのB面が好きで、「YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO」、「TIME ON MY HANDS」、「YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC」、そして、最後のボーナストラック、ジャム・セッション的な「EARLY MORNIG MOOD」で締めくくるという一連の流れがとても好きです。30年近く前、初めて聴いたときには、繊細で美しいけれども、スロー・バラード続きでダレてくるし、正直言って地味なアルバムだなと思ってしまったのですが(未熟でした・・・)、年を経て聴き込めば聴き込むほど味わいが出てくる、素晴らしいアルバムでありますよ。
ずいぶん長くなってしまいましたが、僕が初めて買ったCHETのアルバムでもあるので、個人的には思い入れがありますね。
そして、年末恒例。
先日、元旦護摩の申込みに高幡不動尊へ行ってきました。冬晴れの空に宝輪閣が映えますね。また来年もより良い1年となりますように。みなさま、よいお年をお迎えくださいね。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107

