Bar BAKER お気に入り盤紹介312。 | 「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

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日野市・豊田駅北口「Bar BAKER(バー・ベイカー)」店主のブログです。ウイスキー、ジン、カクテルなど、こだわりの洋酒と音楽。落ち着いた空間で、一息つきませんか?
おひとりさま、初めての方、女性の方も、お気軽にどうぞ。

12月も折り返しを過ぎ、今年も残すところ2週間となりました。先々週はボーナス効果か、街全体的に活気があるように感じられましたが、先週は残念ながら大失速してしまった感じです。なかなかうまくいかないものですが、また流れが変わってくれることを願って頑張るしかないですね。みなさま、応援よろしくお願いします。

 

本日(17日)は、当店はお休みをいただきます。また月曜日以降、お待ちしておりますので、よろしくお願いします。なお、来週の日曜日(24日)は営業する予定であります。大晦日(31日・日曜日)も営業する予定なので、明日以降、年内は休みなく営業となります。

 

ここで、音楽ネタでも。このところ、いろいろなミュージシャンのアルバムを取り上げてきましたが、年内最後は原点に帰って、当店の店名の由来でもあるジャズ・トランぺッター、CHET BAKERによる、この時期にピッタリなクリスマス・アルバムを取り上げてみます。

 

 

「SILENT NIGHTS」 (dinemec jazz)

 

CHETとは1960年代末からの旧友でもある、CHRISTOPHER MASONとの再会セッションで、CHETの吹き込んだ唯一のクリスマス・アルバムになります。メンバーは、CHET BAKER(トランペット)、CHRISTOPHER MASON(アルト・サックス)をフロントに、MIKE PELLERA(ピアノ)、JIM SINGLETON(ベース)、JOHNNY VIDACOVITCH(ドラムス)を加えたクインテット編成で、1986年の録音であります。CHETのやわらかなトランペットと、MASONのわりと骨太なアルトの対比も楽しいですが、「SILENT NIGHTS」、「THE FIRST NOEL」、「COME ALL YE FAITHFUL」、「JOY TO THE WORLD」といったクリスマスの讃美歌を、あのCHETが大真面目に吹き込んでいるところが面白い1枚です。ちなみに、CHETとMASONは1968年、警察の留置所で初めて出会ったそうですが(笑)、口笛を吹いていたMASONに「それ、いい曲だね。君が作曲したのかい?」とCHETが声をかけて友達になったそうですよ。この話は前にも書いたような気がしますが、このアルバムについての面白い小ネタをもうひとつ。1985年の暮れ、フランス人の奥さんとパリに滞在していたMASONは、現地のジャズクラブ「NEW MORNING」に出演していたCHETに会いに行き、ステージに加えてもらって共演もしたそうですが、その後、「クリスマス・アルバムを作りたい」という話をしてみたところ、CHETも乗り気でトントン拍子に話が進んで、翌86年の1月にレコーディングすることになったそうです。ただ、MASONはCHETにギャラを払えるほどお金を持っていなかったので、自分の愛車、MG・ミジェット(小型のスポーツカー)を譲るからレコーディングしてもらえないかと頼んでみたら、OKだったそうです。CHETは、車好きとして知られていて、とくにアルファロメオが大好きだったことでも有名なので、スポーツカーにグッと来たんでしょうね。ということで、MASONはお金を払うことなく、CHETとの共演レコーディングを実現できたわけです。友達ならではというか、ゆるい時代だったというか、現代では考えられないような話ですね。

 

おまけ。

 

お世話になっている花屋「フローリスト鹿島」さんの出張販売で買ってきたポインセチア。この時期にピッタリの鮮やかな赤が素敵です。

 



Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107