Bar BAKER お気に入り盤紹介301。 | 「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

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日野市・豊田駅北口「Bar BAKER(バー・ベイカー)」店主のブログです。ウイスキー、ジン、カクテルなど、こだわりの洋酒と音楽。落ち着いた空間で、一息つきませんか?
おひとりさま、初めての方、女性の方も、お気軽にどうぞ。

早いもので3月も最終週になりました。世間的には年度末ですね。いまひとつ活気のない日々が続いていますが、何とか盛り返していいかたちで締めくくり、4月からの新年度に繋げていきたいものです。みなさま、応援よろしくお願いします。

 

本日(26日)は、当店はお休みをいただきます。また月曜日以降、お待ちしておりますので、よろしくお願いします。なお、来週の日曜日(4月2日)は、営業する予定であります。

 

久しぶりに、アルバム紹介でも。300枚以上になってきて、前に取り上げたような、まだ取り上げていないような、わからないものも増えていますが、何度書いても問題ないかと思いますので、気にせずにいきます。

 

 

「COMPLETE JAM SESSIONS」 (definitive)

 

CHET BAKERがジャズ界へ足を踏み入れるきっかけをくれた恩人でもある、ジャズ史上最大の天才、CHARLIE PARKERとの2回の共演ジャムセッションを収録したものです。前半は、CHARLIE PARKER(アルト・サックス)、SONNY CRISS(アルト・サックス)、CHET BAKER(トランペット)、AL HAIG(ピアノ)、HARRY BABASIN(ベース)、LAWRENCE MARABLE(ドラムス)によるセクステット編成で、1952年の録音であります。軍楽隊を除隊し、西海岸のジャズクラブをまわりながら腕を磨いていたCHETは、アルト・サックスの天才奏者、CHARLIE PARKERが西海岸ツアーを行うにあたって、共演するトランペット奏者を探していることを耳にします。友人でもあり、後にpacific jazzレーベルを主催することになる、RICHARD BOCKが教えてくれたそうで、実際にオーディションがあったかどうかは諸説あるようですが、PARKERが西海岸ツアーの相方として、まだ駆け出しのCHETを選んだことは事実で、こうして録音も残っているわけです。「THE SQUIRREL」、「INDIANA」など、PARKERのプレイに圧倒されながらも、必死に食らいついていくCHETの様子が捉えられえており、音質は悪いですが、とても興味深い録音です。PARKERとCHETの共演というと、「INGLEWOOD JAM」として知られている、この1952年の西海岸ツアー録音がとても有名ですが、実は翌年にも共演ツアーを行っており、録音も残っているのですよ。それが本作の後半で、CHARLIE PARKER(アルト・サックス)、CHET BAKER(トランペット)、JIMMY ROWLES(ピアノ)、CARSON SMITH(ベース)、SHELLY MANN(ドラムス)によるクインテット編成で、1953年の録音であります。こちらは、「BARBADOS」、「COOL BLUES」、「ORNITHOLOGY」と、PARKERのオリジナル曲ばかりを演奏しています。音質も悪いうえに中途半端なところで録音が切れてしまったり、残念なところも多いですが、2人の共演録音というだけでも価値はありますし、「BARBADOS」は晩年まで愛奏曲として残ったことを考えると、CHET自身にとっても思い入れの強いツアーだったのかもしれません。PARKERとの思い出については、様々なインタビューでも嬉しそうに話していますし、晩年に書いた回想録「AS THOUGH I HAD WINGS」でも、細かく振り返っているので、CHETにとって本当に大切なものだったようです。

 

せっかく桜が満開だというのに、雨続きで参りますね。久しぶりに制限のないお花見ができるようになったわけで、何とか持ちこたえてくれるといいのですが。

 

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107