さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、CHETの旧友たちも参加した晩年のライヴ録音で、CHETの遺族が運営するCCBAKERプロダクションが発表した1枚であります。
「NIGHTBIRD」 (jazz world)
CHET(トランペット、ヴォーカル)、SAL NISTICO(テナー・サックス)、LORNE LOFSKY(ギター)、CHRIS CONNORS(ベース)、ARTT FRANK(ドラムス)によるクインテット編成で、1984年の録音であります。CHETは、1970年代の半ばから、ヨーロッパを中心に活動していたので、時折帰るアメリカではレギュラー・バンドを組むことはありませんでした。本作の参加メンバーのうち、ドラムスのARTTとサックスのNISTICOの2人は、CHETの旧友です。とくに、ARTTは、CHETにとってどん底だった60年代後半を支えてくれた親友の1人です。曲目を見てみると、冒頭の「STELLA BY STARLIGHT」は、若いころからの愛奏曲ですが、ここでは17分にも及ぶ長尺で演奏されています。スタートはキレがない演奏をしていますが、曲が進むにつれて調子が出てきます。ただ、各々のソロ・パートが長すぎて、途中でダレてくる面も否めません。「I REMEBER YOU」と「I’M OLD FASHIONED」の2曲では、CHETの甘いヴォーカルが聴けます。後者では、やさしく絡むNISTICOのテナーと、LOFSKYの繊細なギターも聴きものです。ラストを飾る「MARGARINE」は、アップ・テンポで刻み続けるリズム隊も格好よく、CHETのトランペットとNISTICOのテナーも快調に飛ばします。最も秀逸なのがタイトル曲でもある「NIGHTBIRD」でしょう。テーマ部分におけるCHETとNISTICOのハモりも決まっていますし、ソロ・パートも好演しています。本作は、すっきりしない音質ではありますが、馴染み深い曲が揃っており、何よりも親友の1人であるARTTがドラムスを叩いているという点で、貴重な1枚であります。ARTTが吹き込んだCHETへのトリビュート・アルバム「LOOKING FOR THE LIGHT」(jazz world)や「SOUVENIR」(master jazz artists)も合わせて聴くと、興味深いですよ。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107
