さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、CHETと同世代のテナー・サックスの名手との共演ライヴであります。

「L.A. GET TOGETHER!」 (fresh sound)
CHET(トランペット)、STAN GETZ(テナー・サックス)をフロントに、CARSON SMITH(ベース)、LARRY BUNKER(ドラムス)を加えたピアノレス・カルテット編成で、1953年の録音であります。CHETは当時、GERRY MULLIGAN(バリトン・サックス)と組んだピアノレス・カルテットで活動しており、大変な人気を博していましたが、リーダーのGERRYが薬物中毒の療養のために離脱してしまったため、急遽、代役として白羽の矢が立ったのがテナーの名手として活躍していたSTAN GETZでした。STANはテナー・サックスなので、GERRYとCHETの組み合わせにくらべると、音色の対位法的な響きはありませんが、リハーサルも充分行われないままライヴをこなしていることを考えると、ここまで噛み合った演奏ができているのは流石です。冒頭の「YARDBIRD SUITE」から「THE WAY YOU LOOK TONIGHT」、「HALF NELSON」など、アップ・テンポでノリのいい曲が続いており、CHETとSTANの音楽的かけあいを存分に堪能できます。ハーモニーを提供するべきピアノがいないため、音に余白が多いのですが、お互いのためのスペースは残しつつも流暢な演奏を聴かせてくれます。ただ、CHETもSTANも、両者ともエゴが強いうえに薬物中毒で、さらにSTANはアルコール中毒でもあったため、衝突が絶えなかったそうです。本作が2人の最初の共演ですが、晩年も含めて、この後も何度か共演しています。人間的には犬猿の仲である2人ですが、音楽的には破綻なく見事に噛み合っているのは興味深いですよ。本作で紹介されたピアノレス・カルテットのライヴは、west windレーベルの「MY FUNNY VALENTINE」というアルバムでも聴くことができ、そちらは「MY FUNNY VALENTINE」や「WHAT’S NEW」など、バラード曲も含まれており、収録曲もかなり多くなっているので、またの機会に紹介してみたいと思います。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107