さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、ドイツのヴィブラフォン奏者との共演で、少し変わった編成の吹き込みであります。

「BAKER / LACKERSCHMID」 (inak)
CHET(トランペット)、WOLFGANG LACKERSCHMID(ヴィブラフォン)、LARRY CORYELL(ギター)、BUSTER WILLIAMS(ベース)、TONY WILLIAMS(ドラムス)によるクインテット編成で、1979年の録音であります。音楽フェスで知りあい、すっかり意気投合したCHETとLACKERSCHMIDの2人は、以前紹介記事を書いた「BALLADS FOR TWO」(inak)というアルバムをデュオで吹き込みました。LACKERSCHMIDの演奏しているヴィブラフォンは、あまり馴染みがないかもしれませんが、電子共鳴装置のついた鉄琴のことです。そんな2人のライヴ演奏を聴いたギタリストのCORYELLが共演のオファーを出し、それが実現したのが本作のレコーディングというわけです。当初は、トランペット、ヴィブラフォン、ギターの3人による「BALLADS FOR THREE」を吹き込む予定だったそうです。しかし、当時、ドイツでのツアー・マネージャーをしていたGABRIELE KLEINSCHMIDTという女性がリズム隊を入れるべきと主張し、それに対してLAKERSCHMIDが冗談半分で「リズム隊を入れるんだったら、2人ともWILLIAMSって名前がいいな」と答えたところ、どんなツテがあったのか、彼女はBUSTER WILLIAMSとTONY WILLIAMSという凄腕の2人を連れてきました。リズム隊を入れるつもりはなかったものの、この2人を連れてこられては共演しない手はないということで、急遽クインテット編成になったそうです。冒頭の「MR. BIKO」、ラストの「TOKU DO」では骨太なリズム隊の刻む4ビートに、繊細なトランペットとヴィブラフォン、キレのいいギターが絡み、格好いいです。3拍子の「BALZWALTZ」では、CHETのスキャット・ヴォーカルも聴けます。また、ボッサ調の曲もあり、様々なリズムを刻むリズム隊の上手さを堪能できます。唯一のスタンダード曲「HERE’S THAT RAINY DAY」は、トランペット、ギター、ベースのドラムレス・トリオ編成で、しっとりとしたバラード演奏を聴かせてくれます。CHETとLACKERSCHMIDとの共演がメインではありますが、本作ではギターとリズム隊がいることで、ヴァリエーションに富んだ演奏になっており、聴き応えがありますよ。CHETとLACKERSCHMIDは、もう1枚共演盤を吹き込んでいますので、またの機会に紹介してみたいと思います。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107