さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、CHETにしては珍しく大人数の編成で、レギュラー・バンドに多くの管楽器を加えたビッグ・バンドによる1枚であります。

「BIG BAND」 (pacific jazz)
CHET(トランペット)、PHIL URSO(テナー・サックス)、BOBBY TIMMONS(ピアノ)、JIMMY BOND(ベース)、PETER LITTMAN(ドラムス)という当時のレギュラー・バンドを中心に、CONTE CANDOLI(トランペット)、ART PEPPER(アルト・サックス)、BUD SHANK(アルト・サックス)、BOB BURGESS(トロンボーン)、BILL HOOD(バリトン・サックス)他、管楽器奏者を加えたビッグ・バンド編成で、1956年の録音であります。55年秋から56年春にかけてCHETがフランスのbarclayレーベルに吹き込んだ録音(以前紹介記事を書いた「CHET IN PARIS VOL.1」、「CHET IN PARIS VOL.3」に収録)にインスパイアされて、pacific jazzレーベルのボス、RICHARD BOCKもビッグ・バンド編成による録音を思い立ったそうです。「MYTHE」、「CHET」、「NOT TOO SLOW」、「DINAH」、「V-LINE」の5曲は、barclayレーベルにも吹き込んでいるので、それぞれ聴き比べてみると面白いですよ。フランスでの録音は全体的にクールな演奏ですが、本作ではホットな印象があります。これは、リズム隊、とくに、TIMMONSのファンキーなピアノとLITTMANのハードなドラムスによる影響も大きいと思います。管楽器もヨーロッパ組のクールな響きとは異なり、勢いのいい演奏を聴かせます。トランペットの高音域、いわゆるハイ・ノートは、CANDOLIらが格好よく吹いており、主役のCHETは得意の中音域から低音域をメインにいつもながらのプレイを聴かせてくれます。その他の曲では、「DARN THAT DREAM」における素晴らしいバラード・プレイが耳に残ります。個人的には、CHETは少人数編成のいわゆるスモール・コンボのほうが似合うと思いますが、たまには大編成のものを聴いてみるのも興味深いですよ。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107